ボーイズラブ

『よくある話。』中原一也

中原一也作だというのに、発売された頃にはBL的情熱が著しく減退していて、カートに入れっぱなしだった(^^;
つい最近ドラマCD化の話を知り、キャストを聞いて、これはぜひ読まなくては!、と思った次第。
しかし、買ってからもしばらく積んであったのがホントのところ。

今日、ようやく読み終えた。
いつもとは違う雰囲気だったけれど、やはり面白かった。

まず、袴田俊樹という凡庸だけど奇特なキャラクターに、池田優作という一見完璧な男をあてがった作者のチャレンジャーぶりに拍手(笑)
泰然自若としたオヤジキャラの前に、完璧な男が自壊して本性を曝け出してゆく様がなんとも滑稽で微笑ましかった。
嬉々として袴田に迫る池田のシチュ萌えな様子もさることながら、出てくるAVタイトルが、いかにも!な感じで笑えた(笑)

そして、異様なテンションを放つ池田の熱に当てられたのかどうかはわからないが、袴田の奥底に深く眠る"欲"に火が点いてゆくところもいい。
コメディタッチな前半から一転して、終盤でドラマティックな展開になっていくところも、二人の心の変化と相まってワクワクした。

欲を言うならば、年齢設定がもう少し高くてもよかったかなあ…

よくある話。 (リンクスロマンス)よくある話。 (リンクスロマンス)
中原 一也

幻冬舎コミックス 2009-03

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ドラマCDのキャストが、袴田俊樹:三木眞一郎、池田優作:森川智之。
三木さん演じるちょっと浮世離れした袴田がスゴく楽しみ。
そして、超かっこいい男が妄想に溺れて豹変しちゃう、池田を演じる森川さんの演技もすごく楽しみ(^^)

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『うちの巫女が言うことには』神奈木智

面白かった〜♪

連続殺人の手がかりを探して神社を訪れた刑事の麻績冬真と、そこで禰宜を務める咲坂葵の出会いは最悪。
けれど、一瞬垣間みた葵の表情に惹かれた麻績が、自問自答しながら深みに嵌っていく過程がなんともイイ感じ。

ページ数が少なめなので、正直言って事件の方にはあまり期待はしていなかったんだけど、展開は読めるものの無理のない決着のつけ方で予想を裏切る面白さだった。

巫女装束で登場する葵の双子の弟たちの、普段の弾けた感じと本音とのギャップに隠された真意、麻績の上司である矢吹のオヤジっぷり、二人の上司にあたる蓜島の喰えなささなど、脇を固めるキャラの魅力も満載。


自分的には、矢吹と蓜島の間に感じる見えない糸に萌え心を刺激されるので、続編でもスピンオフでもいいから二人のその後の展開を読みたいなあ。

うちの巫女が言うことには (幻冬舎ルチル文庫 か 1-13)うちの巫女が言うことには (幻冬舎ルチル文庫 か 1-13)
神奈木 智

幻冬舎コミックス 2009-05-15

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『SEX PISTOLS 1〜5』寿たらこ

雑誌掲載時は、時々眺める程度だったが、ずっとずっと絵が苦手で敬遠していた作家さんだった。
だが「GARDEN」を読んで以来、話の面白さに惹き込まれ、絵にも免疫がついた(^^;

久々に行った本屋で全巻揃っているのを見て、「読め!」と言われたような気がしてとりあえず1巻だけ購入。
速攻読み終えて、続きを買って来なかったことを猛烈に後悔。
で、今日残りを全部買って来た(^^)

すっごい面白かった!
普通の恋愛話もキュンキュンさせられた上に、繁殖を念頭においた駆け引きがホンモノに変わっていっちゃう話とかスゴく新鮮だった。
巻を重ねるごとに登場キャラが増えていくのと、その関係に混乱させられたものの、どのキャラも可愛かったりカッコ良かったりと味があって魅力的。
国政とノリ夫の話も泣けたけど、マクシミリアンとデイビッドの馴初め話が好きだ〜

けど、終ってないなんて〜〜〜(泣)
続きが出る予定って、あるのかなあ…

SEX PISTOLS 1 (1) (スーパービーボーイコミックス)SEX PISTOLS 1 (1) (スーパービーボーイコミックス)
寿 たらこ

リブレ出版 2007-06-01

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『タイトロープ ダンサーSTAGE 5 -青の軌跡シリーズ-』久能千明

怒濤の展開のまま雪崩れ込んだ最終巻。

死にゆく者たちの残留思念を三四郎の強い精神に寄生することでシャットアウトしたカイ。
三四郎は「死にたくない、生きたい」と言うカイの言葉を鵜呑みにはせず、生きて二人でジュール=ヴェルヌへ戻ることがその証になると告げる。
司令官奪還とグイド・リーの救出を成功させ、ジュールヴェルヌへの帰還を最終目標としたミッションが始まった。

途中起こる障害も臨機応変に対処して、少しずつ目的の箇所へ近づいてゆく三四郎たち。
グイド・リーとサーシャの関係を微妙なモノにした真実も判明した。
三四郎とカイが組めば最終目的はクリアできるだろうと思っているので、ワクワクしながら読み進めた。
最大の危機を回避しカイから「自分が月人(ルナン)でよかった…」というセリフが聞けて本当に嬉しかった。
だけど!
目的完遂目前にして、まさかあんな鬼畜な展開が待っているなんて思いもしなかったよ!
正に、タラップから奈落へ突き落とされたようだった。
次の章を読んで安堵したけど。


あとがきを読んで、この"青の軌跡"シリーズ自体に一区切りということで本当に淋しい。

結果的には不満はないけど、7章と8章の間に何があったのか、どこかで補完してくれると嬉しいなあ。
っていうか、補完してください〜っ!
ぜひ!

タイトロープダンサー〈STAGE5〉 (リンクスロマンス)タイトロープダンサー〈STAGE5〉 (リンクスロマンス)
久能 千明

幻冬舎コミックス 2009-04

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『タイトロープ ダンサーSTAGE 4 -青の軌跡シリーズ-』久能千明

やっと、やっと、やっと続きが読めて本当に幸せ!
すっげー長いヒキだったけど、ようやくケリがついたよ(^^)

3年半近くもカイの心配をしてたけど、ちゃんと戻ってきてくれて嬉しいかぎり。
三四郎との感動の対面に頼もしい一言をくれたばかりか、期待どおりそのまま(敵陣なのに)Hに雪崩れ込んでくれちゃって…
必死で抵抗する三四郎の気持ちを捩じ伏せてをソノ気にさせていく手管が、なんともエロエロしくて素敵☆


戻ったカイが自暴自棄なサーシャの歯止めになってくれて、さあ脱出へむけてミッション開始!というところで次巻へ続く…
だけど、すぐ手元にあって読めるっていうのが最高〜(^^)

これまでのカイとは違う微笑を浮かべた表紙の絵もすごく素敵っ☆

タイトロープダンサー〈STAGE4〉 (リンクスロマンス)タイトロープダンサー〈STAGE4〉 (リンクスロマンス)
久能 千明

幻冬舎コミックス 2009-04
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ドラマCD『座布団』

山九亭初助を三木さんが演じると知って、一も二もなく予約を決めたCDが届いた(^^)

自分の頭の中でのウェイトは、初助>要>寒也の順なのだがCDを聴いてあらためて物語の中心にいるのは要だったなあと原作を思い起こしたのだった。
キャストは実力派揃いのベテランばかり。
だけど神谷さん演じる寒也だけは、イラストのイメージからもう少し野太い声をイメージしていたのでちょっと気になっていたのだが…

イラストとのギャップはやはり感じるものの、演技としては全然気にならなかった。
声も喋り方も、むちゃむちゃエロいわ〜
特に声をひそめてのセリフが艶かしい。
全体の完成度は高いし、何よりも聴いていて面白い(^^)

フリートークでも、普段演じることのない落語やどどいつがスゴく大変で、でも非常に勉強になったと皆さん口を揃えて言われてたけど、聞く側としては他のドラマCDじゃ聴けないレアな内容に大満足(^^)
ドラマCDにしたからこその醍醐味を味わえて非常にラッキー☆

自分的には、初助が「三千世界の鴉を殺し…」と唄い出した時には、どうしよう〜〜〜と思うくらい興奮したよ。
だって、それは別の小説のネタ…(爆)

演じる方々はもの凄く大変だったと思うけれど、初助の若い頃の話『花扇』もドラマ化して欲しいと切実に思う。
ぜひぜひ続編を!

4月新譜☆【特典付】座布団

ついでに、原作も復刊してくれるといいんだけどなあー

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『オールトの雲』一穂ミチ

前作がとてもよかったので今回も楽しみにしていたのだが、心の柔らかな襞を感じさせてくれる素敵な話だった。

5歳の時に隣に引っ越してきた、きれいな母子に魅せられた太陽。

周囲と打ち解けられない頑さを抱えた同い年の流星の一番近いところにいるのは、自分だけという優越感を抱いていた太陽。
やがて高校生となり、学校も離れて、違うサイクルの生活がはじまるが、流星が周囲の人間達とうまくやっていて欲しいと思う反面、自分の知らない世界を広げていくことへの嫉妬もあって、複雑な感情を持て余しいた。
それが、好きという気持ちだと自覚するまで。

オールトの雲 (新書館ディアプラス文庫)オールトの雲 (新書館ディアプラス文庫)
一穂 ミチ

新書館 2009-03-10

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以下、ネタバレしてるので折りたたみ〜

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『FLESH&BLOOD 12』松岡なつき

待望の12巻!
まさかビセンテにああいう真似が出来るとは思わなかった。

ラウルの書いた筋書きでビセンテの裏をかき脱出を図ったカイトは、遂にジェフリーやナイジェルと再会を果たす。しかし、その幸せも長くは続かなかった…

もう予想外の展開に度肝を抜かれまくり〜〜

FLESH & BLOOD12限定版 (キャラ文庫)FLESH & BLOOD12限定版 (キャラ文庫)


徳間書店 2009-02

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ネタバレになるので折り畳みます。

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『陸王 リインカーネーション』久能千明

"南京路に花吹雪(作:森川久美)"を筆頭に、上海を舞台にした物語が好きだ。
キナ臭い時代を背景に綴られる物語は、どれも哀しい色をしているけれど、今の時代にはない力強さと熱情と真っ直ぐな愛がある。

上海で出会った軍人嫌いの新聞記者 折原尚之と、陸軍将校 藤堂克己の二人が少しずつ積み重ねていく時間は、知らないうちに心に変化をもたらしていく。
互いに相手の懐へ踏み込もうとせず、ただひとときを共有しただけの関係。
それが、一気に縮まる時に発する熱さがたまらなく好きだ。

考え抜いて出した結論を胸に抱き、諦観を唇の端ににじませる藤堂からは絶望感は伝わってこない。だが、そのあまりの潔さがかえって切ない。

ともに生きることが叶わなかった二人が、再び巡り会ったあとの話を読んでみたい。

陸王 リインカーネーション (ディアプラス文庫) (新書館ディアプラス文庫)陸王 リインカーネーション (ディアプラス文庫) (新書館ディアプラス文庫)
久能千明/木根 ヲサム

新書館 2009-01-10

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『ユーレイに関する小さな事件簿』滝井ルカ子

とても面白くて、すごくイイ話だった!
BLとしての王道からは少々外れてるけれど、物語としての面白さは格別(^^)

弓和平が同僚の葬式から帰ったら、そこに彼(春木要)のユーレイが…(^^;
というナンセンスな設定。
自分には彼の姿は見えるけど周囲には見えなくて、死んだ人間と会話しながら話が進んでいくのだけど…

このあとネタバレ含むので畳みます。

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『萌えの死角』今市子

面白かった〜(^^)
BLに萌える人々は少数派かもしれないが、その中でも千差万別、十人十色な萌え基準がある。そのあらゆる"萌え"の更なる死角を突いて、今市子視点でゆったりまったりと(時には熱く)語ってある。
何気ない日常の見逃しがちな萌えを発見できるかも!? な〜んてね(笑)

ア○ムやマ○ューの白鳥の湖の話や、某IBOUシリーズ、マンガなどのついていける話題も、よくわからない古い映画ネタやドラマネタも面白可笑しく読んだ(笑)
時折登場するドラマCD一千枚を所有するツワモノなお友達が素敵〜☆

萌えの死角 (ニチブンコミックス)萌えの死角 (ニチブンコミックス)
今 市子

日本文芸社 2008-12-27

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【TB企画】持ち越さない2008

ことしも残りわずか…
家族を乗せた車で適当にiPod操作したら、うっかり"チカの言葉攻め"とか表示されてて超焦りました(^^;タイムラグに感謝!
BLの未読数は去年よりも減ったけれど(2008年発行分だけ数えるとね)、今年もやはり持ち越しそうです(^^;

邪道(遠雷序章)川原つばさ

頬にそよ風、髪に木洩れ日椹野道流

2008年発行のものはこの2冊。
ちなみに奥付が2009年のものは『もしも恋なら』谷崎泉、『簡単で散漫なキス』久我有加の2冊。

だけど、BL以外の未読本が…山のようにあったりするからなあ〜(^^;
明日、読めるかどうかわかんないけど、とりあえず頑張ってみます(笑)

BL×B.L.TB企画参加

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ドラマCD『さらさら。』

前3作もスゴかったけど、今回も期待を裏切らない出来だった。
駐在所勤務を終え、懐かしい二人の愛の巣(爆)に帰ってくるところからはじまって、回想から『しなやかな熱情』のラストシーンへと一気に時を遡る演出がいい。

刑事な臣も凛々しくてカッコよくて…その中でもやっぱり堺さんとのやり取りがすごくいい〜(^^)
堺さんに可愛がられている姿が目に浮かぶようだ(笑)
だけど、慈英の腕の中でグダグダになっちゃうのもこれまた可愛いすぎて困るくらい。

あと、煮詰まってる慈英が酔って、自棄になって照映に絡むのがカワイイ(^^)
余裕のない慈英ってのも新鮮で、素敵〜
恐る恐る"臣さん"って呼ぶのも悪くないんだけど、個人的希望を言えば最初からじゃなくて、"刑事さん"から変化していったほうがよかったなあ…

原作を読むと毎回泣けるシーン!
慈英が好きで好きで…だからなおさら怖くて言い出せない気持ちや、これまでの引け目、自分への卑下などがごちゃ混ぜになって、一気に溢れ出すシーン。臣の声でそれを聞くとやっぱり泣いた。
神谷さんの泣き笑いの加減が絶妙!

そして本気モードの慈英がむちゃむちゃエロい(爆)
切羽詰まってるからか、これまでの絡みよりも凄みを増している感じ。


エピローグで、二人がそれぞれ胸に抱く思いが胸に沁みてきて、本当によかったね〜って思う。
この、短いけれどいろいろな思いが詰まった話をドラマCD化してくれて、Atisさんホントにありがとう〜〜

Atisさんのページ→『さらさら。』

画像はコミコミスタジオ楽天店へのリンク

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【TB企画】BL×B.L. Award 2008

今年もあと数日。
たくさんのBL小説を読んだなあ〜ということで、心に残ったものから5冊選んでみた。(感想のあるものだけリンクしてある)

雪よ林檎の香のごとく』一穂ミチ
タイトルの印象どおり綺麗で切ない話。

美男の達人』小林典雅
何と言っても"美男塾"が最高! 続きを書いて欲しいなあ〜

『きみがいるなら世界の果てでも』榎田尤利
ルコちゃんの健気さに涙が出た。東海林の意外な弱さも一見の価値あり?

SIMPLEX -DEADLOCK 外伝-』英田サキ
ああっ、ロブ!ホントによかったね〜(^^)

スローリズム』杉原理生
なんとももどかしくて、だけど心に染みてくる素敵な話。

他にもいい物語がたくさんあって絞りきれないくらいだったけれど、とりあえずこんな感じで(^^;

BL×B.L.TB企画参加

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『薔薇の瞳は爆弾』ヤマシタトモコ

どうしようもなく救い難いものから、カラッと笑い飛ばせるようなものまで入ってる短編集。
先月出たヤツよりも、こっちのトーンの方が好きかも。

"the turquoise morning"
最初の数ページで結末が予想できるんだけど、その瞬間が訪れるまでのじわりじわりと迫ってくるような感じが好きだ。
絶望が喜びをもたらすなんて歪んでると思うけど、決して叶わない思い、行き場のないやり切れなさが何とも言えず好き。

"さようならのお時間です。"
これはかなり救い難い話。だけど、最後に先生と一緒に過ごしたひとときとその言葉とを心の拠り所にして、少しは救われてる?

"ラブる。"
短いけれど、すっごくインパクトがあった。変だけど、かわいい〜(^^)
でもって納得。匂いって脳の記憶に直接届くよね。

"浮気者!"
ゲイとノンケのカップルのお話。お互いに言いたいことを溜め込んでいたと思ったら…(笑)
恋は人を臆病にする(^^;

"薔薇の瞳は爆弾"
王子様キャラの彼が、可笑しい〜(笑)
相手によっては「強引に優しくする」ってのも意表をついてアリなんだと納得。

"嗚呼ボーイフレンド"
止まらない妄想と主人公の真剣さが一層笑いを誘う(爆)

"絶望の庭"
穏やかな表面の下に隠された激情と絶望。雰囲気が好きだけど感想を言葉に置き換えたくない…と思った。

この他、後日譚として"薔薇の瞳は盲目"、"欲望の庭"、"曲者!"、"GoGoボーイフレンド"が収録されているんだけど、どれもなんか変で笑える〜。

薔薇の瞳は爆弾 (ビーボーイコミックス)薔薇の瞳は爆弾 (ビーボーイコミックス)
ヤマシタ トモコ

リブレ出版 2008-12-10

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Chara Collection Extra 2008

応募していた小冊子が届いた(^^)
マンガと小説の比率がいい感じ〜

まずは、DEADLOCKの番外編から読み終えて、幻月楼奇譚とFLESH&BLOODの番外編を読了〜
Chara_extra2008

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『SIMPLEX -DEADLOCK外伝-』英田サキ

やっとロブのターン(笑)
あまりにもいい人過ぎて、自分的には最後まで胡散臭く思っていたロブの話。
だけど、すっげーいい男でシンプルにいい人だった(^^;

ユウトに振られちゃった彼の心を埋めたのは、ディックの同僚ヨシュア。
無表情のその下の感情を表に出すことが苦手で、実は人と付き合うのが下手な彼もまた心に傷を負った者だった。ヨシュアの心の傷に触れて、彼への興味がやがて愛しさへと変わっていくロブを見ていると応援せずにはいられない。
ロブとヨシュアの成り行きに、シリアルキラーによる犯罪が関わってきてハラハラドキドキさせられた。
実は二人の間には人知れず縁があったという伏線もナイス(^^)

外伝だけど,本編に劣らぬ素晴らしい出来(^^)
普段は優しくて甘いけど、必要な時には強く厳しいロブの魅力満載だ。

感極まったロブとヨシュアが、理性じゃなく体で反応しあう情熱的なキスに萌える。
是非これもCD化して欲しいなあ(^^)

表題作の「SIMPLEX」、書き下ろしの「DUPLEX」ともに、幸せそうなユウトとディックが登場しててなんだか嬉しい。

SIMPLEX DEADLOCK外伝 (キャラ文庫 あ 4-4)SIMPLEX DEADLOCK外伝 (キャラ文庫 あ 4-4)
高階佑

徳間書店 2008-11-22

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『恋の話がしたい』ヤマシタトモコ

可愛くてせつなくて、ちょっぴり羨ましい…短編集

"恋の話がしたい"
まさかOKしてもらえるとは思わなかったのに…衝動的に告白して始まった恋。
好きだと返されて実感が湧かない美成と告白されて舞い上がってる真川。二人の温度差が美成の戸惑いを如実に表していて可笑しい。
これでいいんだろうか…? 次はどうすればいいのか… こんなときは…?と手探りで進む美成の初々しさがなんともカワイイ。
好きな人と過ごす日常の、他愛もない出来事の積み重ねを愛しく感じる姿に心が震える。

"Re:hello"
叔父さんの古い携帯電話の中に送信されていないメールを見つけた。
その短い文面と、送ろうにも送れなかった叔父さんの気持ちに思いを馳せる姪の夏実の涙と言葉にグッときた。

"February messenger"は可愛くて胸がキュンキュンする話。
"Spank☆Swank!"はドMだけどノンケなリーマンとノーマルだけどゲイな男の恋の始まりを予感させる話。
当事者たちは言い訳がカミングアウトになったり、必死で弁解してたのに逆切れしちゃったりと大変そうだけど、思わず笑ってしまう。うまくいくといいね〜(^^)

恋の話がしたい (MARBLE COMICS)恋の話がしたい (MARBLE COMICS)
ヤマシタトモコ

ソフトライン 東京漫画社 2008-11-18

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『交渉人は疑わない』榎田尤利

タイトルを見て、きっと彼ならやってくれるんだろうと期待に胸を膨らませつつ読んだ。

兵頭の過去が絡んだり、事務所のキヨに春の予感が感じられたり,盛りだくさんの内容で面白かった〜
そして、のっけから、目次のあとのサブタイトルページを見て大ウケ♪
期待を裏切ることなく最後までがんばってくれた芽吹、ありがとう〜

以下、ネタバレ注意です。


周りの噂や過去の出来事にとらわれず、依頼人を信じ、思わず大胆な行動に出た結果羞恥プレイを招いても自分の信念を曲げない芽吹を見ていると胸が熱くなる。

生き方としては不器用だけど、最後まで日和ることなく相手を信じ切る意思の強さが彼の魅力で、兵頭も彼のそんなところに一目置いているのだと思う。
信じたいけど信じきれない者にとって,芽吹の存在はとても眩しいから、口ではいろいろと言いながらも彼の一途さに救われる部分があるのだろう。

今回の依頼人は,芽吹の情に絆されたけれど,この先も巧くいくかはわからない。そういう最悪の状況を見越して兵頭は芽吹を見守っているんだろうけど。

依頼人を救うため、嫌いなヤクザの組長相手に堂々と交渉の妙技を見せてくれるシーンは鮮やかでカッコ良かった(^^)
そして、結果的に自分たちには不利益が起こらないように先を見越した手腕はスゴかった。
今回の交渉の陰には、友人の七五三野(しめの) の協力があったのだが、なかなか一癖も二癖もありそうな男で、彼と兵頭のバトルも今後楽しみだ。

交渉人は疑わない (SHY NOVELS 213)交渉人は疑わない (SHY NOVELS 213)
奈良 千春

大洋図書 2008-10-30

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『密林の覇者 アーサーズ・ガーディアン』Unit Vanilla

アーサーズ・ガーディアンの対義語はきっとチャーリーズ・エンジェル(笑)

前作と比べると設定の無理はあまり感じさせずドラマティックな展開で面白く読めた。ハリウッドスターと過ごすジャングルクルーズ!
まさにエンターテインメントだね(笑)じゃなくて、ミッションの内容を見て上層部とか依頼主がよくGO!サイン出したなあと思う。

人との接触に慣れてないとはいえ、あんなにあっさり流されちゃっていいのか?>カイト
そして、こんなところでサカってどうするんだ!?>クリスティアン…と思ったら、ちゃんと考えてたのは偉い(笑)
ミッション終了後に二人がどうなっちゃうのか心配だったけど、いい選択肢を考えてあったと思う。

それにしても、毎回エージェントが初回ミッションで対象者とイイ仲になっちゃって、創始者アーサーの遺志に込められた真の目的は一体なんだ?と勘ぐりたくなるね(笑)

来春から順次ドラマCD化されるようだけど…
今回の話、カイトは宮野○守で>感情を抑えた喋り方が刹那っぽかったから(ガンダム00見たところだったし)。
…となると、クリスティアンはロックオンか!?(爆)

密林の覇者 アーサーズガーディアン (SHY NOVELS 215 アーサーズ・ガーディアン)密林の覇者 アーサーズガーディアン (SHY NOVELS 215 アーサーズ・ガーディアン)
蓮川 愛

大洋図書 2008-10-28
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『酔いどれ金魚と野獣』中原一也

アル中を克服し、バーテンダーとして自分の店を切り盛りする門脇と、彼の背中に惚れて「ほらせろ(二重の意味で)」と迫る凄腕の彫り物師 今井の話。

「酔いどれ金魚」っていうフレーズが、すごく艶めかしくて仇っぽくてものすごく好きだ〜


伝説の彫り師として一部業界から絶大な讃辞を受けている今井が毎晩のように店にやってきては門脇を口説く。彼目当ての連中が大挙して押し寄せるおかげで商売はあがったり(^^;
彫らせる気はない門脇だが、今井の酒の飲みっぷりと彼の醸し出す雰囲気に、男としての憧れを抱いているため、憎まれ口はたたくけれども彼の来訪を拒めない。

そんな門脇の心を見透かしたような今井の暴走ぶりが凄かった。
簡単に人を信じて欺されるお人好しで、自分の忠告も聞かない門脇が、歯がゆくて可愛くて仕方がないなんて…困ったオヤジだよなあ(^^;
だけど、門脇がどんなにだらしない、最低な姿を晒しても、しょうがないなあと愛しさをおぼえる心の広さが凄い。
自分の犯した罪の重さに打ちひしがれて今井の手練手管に流されて溺れていく門脇が切なかった。


愛があるからいろいろなプレイに萌えるんだろうけど、感染すると大変だからでりけーとな部分への異物挿入はほどほどに(^^;

北上れんさんの艶めかしい絵とタイトルのレタリングが絶妙!

酔いどれ金魚と野獣 (B-BOY SLASH NOVELS)酔いどれ金魚と野獣 (B-BOY SLASH NOVELS)
中原 一也

リブレ出版 2008-10
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<追記>誤記訂正しました。お知らせくださった方、感謝します〜m(__)m

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『不実な男』久我有加

結婚まで考えていた相手の女性に振られてしまった柾木伸彦は、たまたま現場に居合わせた男 ロクローとその後仕事の延長上で付き合うことになる。
そして彼がゲイだと知っても、彼がくれる居心地の良さに惹かれていった。

伸彦がロクローのことを好きになったとたん、こっぴどく振られてしまって、けれど最後にはお互いに離れられなくて縒りを戻す…という展開になるのかと思ってた(爆)
だって、"不実な男"ってタイトルだし(^^;

だけど読んでいくうちに、不実な男ってのはロクローじゃなくって、伸彦自身が自分をそう思ってるんだってわかってくる。自分を好きになってくれた相手に自分も思いを返さなくちゃと思うんだけど、うまくいかない…そんな自分を欠陥人間だと思っちゃう伸彦がカワイイ。

伸彦に一目惚れしちゃうロクローが、こんなにできた男はいない〜(爆)と思うくらい優しくていいヤツだ。(下心はちゃんとあるけど(笑))

思いが通じ合ってからも、ずっとロクローに好きでいて欲しくって、カワイイと思われるためにはどうすればいいのか、真剣に悩む伸彦がホントにカワイイ。そういう部分で伸彦を可愛いというロクローの心境がよくわかる(笑)

伸彦の言動は、ともすればあざとくなっちゃうかもしれないのに絶妙に可愛いのは、ギリギリのところで踏みとどまっているバランスのよさだと思う。

全体的にほのぼのした話なんだけど、すごくよかった(^^)
同時収録は「厄介な男」と「悪趣味な男」

不実な男 (新書館ディアプラス文庫 (195))不実な男 (新書館ディアプラス文庫 (195))
久我 有加

新書館 2008-08-09

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『僕のやさしいお兄さん 2』今市子

歯車が噛み合わないところが面白いんだけど、人間関係が複雑になっていくにつれて益々拍車がかかってる。
我がまま彰人も、鉄平もおじいちゃんズも掘れば掘るほど深みが増していくのが心憎い(笑)
冒頭から、いきなり際どいシーンで始まってドキドキしたけれど、その後はどういう悪意が働いたのかすれ違いに次ぐすれ違いの連続。
一つ屋根の下で、もつれにもつれた聖の恋模様は、いったいどうなるんだろう。
それぞれのキャラの温度差の違いが、傍目には面白いんだよなあ

僕のやさしいお兄さん 2 (2) (花音コミックス) (花音コミックス)僕のやさしいお兄さん 2 (2) (花音コミックス) (花音コミックス)
今 市子

芳文社 2008-09-29

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『デコイ -迷鳥-』英田サキ

読み終えてまず思ったことは、佐藤(篠塚)が可哀想すぎる…

自分が幸せだと思う生き方を選択した二組について萌えなかった訳じゃないけど…それでも、あんまりじゃない!?
篠塚の孤独は、だれが埋めてくれるのだろう…
たった1人で孤高の闘いを続けている彼を思うと胸が痛くなった。

潜入捜査をすることにあれだけ気を配り、限界が見えた彼にもうやめるようにと諌めた篠塚の思いはどこへ行くのだろう。
前途ある若者が道を踏み外して非合法な世界に身を落としてゆくのを、ただ見ているしか出来ない彼の心中は如何ばかりだろう。


あとに残された篠塚が、黒幕のあの男を前に淡々と自分が導き出した答えを問うた後に、悔しさを噛み締めるシーンは彼のやり切れなさがひしひしと伝わってくる。。

自分的には彼の肩の荷を下ろしてやって欲しいと思うが、それは彼の本意ではないかもしれない。満身創痍であっても自分の職務を全うしようとするだろうし、誰かに肩代わりして欲しいとは思わないだろう。
それでも、彼の心が折れてしまう前に、共に走ってくれる誰かが現れて欲しいと願わずにはいられない。
彼の孤独な闘いはこれからも続くのだろうか…

デコイ 迷鳥 (SHY NOVELS 209)デコイ 迷鳥 (SHY NOVELS 209)
奈良 千春

大洋図書 2008-09-05

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『雪よ林檎の香のごとく』一穂ミチ

タイトルがそうさせるのか、始まった季節がそう感じさせるのかわからないが、冬の静謐な空気をまとった物語だった。夏のシーンもちゃんとあるのに。


有名校に編入するべくひたすら勉強する結城志緒にとって早朝の図書室が秘密の隠れ家だった。
ある日、自分のテリトリーに無断で入ってきた担任で国語教師"桂英治"の意外な一面を見てしまう。以来毎日訪れる彼の、普段は見せることのない言動に知らず知らずのうちに惹かれてゆく。

生きることに必死で尖ってる志緒が、飄々とした態度の裏に過去を隠して大人の立場を貫く桂と一緒に過ごす時間が知らないうちに楽しく感じるようになっていく。
一方、桂は大人と子どもの境界線にいる志緒を眩しそうに見ている。
情景の描写と、気持ちの描写がしっくり合っていてとてもきれいだ。
幼なじみの"りか"と志緒のやりとりも微笑ましくて嫌らしさがない。

穏やかに見えてはいるけれど、心の中に激しい感情を抱えている志緒の、時折垣間見せられるその激情に桂も惹かれていく。普段は醒めているふうに見える志緒がたまに見せる鮮烈な感情に、桂共々惹き込まれていく感じがする。

一度は、志緒の告白を大人の対応で受け流した桂だが、過去を曝け出しそれでも追いすがってくる志緒に覚悟を決める。

タイトルにもなった白秋の句を教えられた志緒が、桂の過去とその句の背景を知るくだりがとても好き。あふれそうな思いを堪えきれずに、感情で行動してしまう志緒がせつない。

若さというエネルギー体の熱に煽られる感じがする。
志緒の考え方は、一般的に見てかなり危うい感じがするし、桂もそれを心配している(同時に嫉妬もする)。それでも、欲しいもの以外はいらないと言い切る潔さに憧れるのは、自分が年取ったからかなあ〜と思ったり(^^;
桂の思いにも、志緒の気持ちにも、りかの心にも共感できるところがあって、みんな愛しい。

同収録の"手のひらに君の気配が"で登場する栫が、誰かに出会って壊されて必死になる姿を見てみたいなあ…

雪よ林檎の香のごとく (新書館ディアプラス文庫 194)雪よ林檎の香のごとく (新書館ディアプラス文庫 194)
一穂 ミチ

新書館 2008-07-10

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『デコイ -囮鳥-』英田サキ

人を殺したあと記憶を失ってしまったひとりの男が、自分を求めて動くたびに少しずつバラバラのピースが繋がっていく。一方ではその犯人を追って動き出す男たちがいる。

一つの殺人事件に関わる、日常とはかけ離れた世界に棲む2組の男たち。
まだ全容は見えてこないけれど、手探りで話が進んでいく緊迫感がたまらない。
しかし、その緊迫感も懐かしい名前を見てちょっと緩んだ。みんな元気そうでよかった(^^)

そして、途中からもしや…と思ってはいたが、最後に正体を明かしてくれたあの人の名前を見て驚喜した。お義兄さん!まだ、闘っていたんだと知って嬉しくなった。

デコイ 囮鳥 (SHY NOVELS 207)デコイ 囮鳥 (SHY NOVELS 207)
奈良 千春

大洋図書 2008-08-28

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心は加賀谷に許しながら、体は繋げられないでいる那岐たちの関係にも萌えるが、火野に絡めとられた安見が全ての記憶を取り戻したあとどんな行動をとるのか興味津々。

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『夜の華』榊花月

親の残した借金返済のためにホストクラブで働きはじめた譲。
永久指名制の『ムーンドロップ』で、まだ慣れない彼を指名してくれたのは澤戸。彼は、店の周辺一帯を取り仕切るヤクザだ。
譲は澤戸に心惹かれながらも、彼の素性を考えると自分の気持ちを深く追求はしなかった。
そんなとき、父の秘書だった男が突然現れて…

亡くなった両親の復讐を持ちかける男の登場で、物語は大きく動き出すんだけれど、予想どおりの展開でちょっとあっけなく終ってしまった感じ。
できればもうひと捻り欲しかったなあというのが率直な気持ちだ。

澤戸が譲に惹かれた理由もわからなくはないんだけれど、彼の気持ちの強さを表す言動や、彼の特異性を表すような出来事がもう一つくらいあればよかったかなあ。

夜の華 (キャラ文庫 さ 3-14)夜の華 (キャラ文庫 さ 3-14)
榊花月/高階佑

徳間書店 2008-08-27

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『邪道 比翼連理 中』川原つばさ

魔界で、自らに取り憑いた魔族との共生の道を探る柢王はどんな生活を送っているのかと思ったら…
すごく彼らしくて、ちょっとホッとした。
桂花との再会は、柢王としてはまだ望んでいなかっただろうけれど、二人がまた会えて本当によかった。

これからの二人の選択を祝福してあげたいと思ったのに…
その後に待っていた怒濤の展開に涙腺が決壊した…
嘘だった!と、これは本当じゃなかったんだと、お願いだから言って欲しい。


最後には(どんな形かはわからないけど)「ハッピーエンド」を信じて今の痛手を慰めるしかないのかなあ。
物わかりのよすぎる大人な桂花の姿がとても痛々しい。

邪道 比翼連理 中 (講談社X文庫 かG- 8 ホワイトハート)邪道 比翼連理 中 (講談社X文庫 かG- 8 ホワイトハート)
沖 麻実也

講談社 2007-06-01

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『邪道 比翼連理 上』川原つばさ

辛い展開が予想されるのと、上中下になるということもあって、纏めて読もうと思ったはずが、ずいぶん経ってしまった(^^;

柢王が単身で魔界へと旅立ってしまった。残された桂花は気丈に振る舞うが、その真意を思って、ティアもアシュレイも心を痛める。
一方、冥界からの攻撃は天主塔とティアを狙ってじわじわとその勢力を伸ばしてくる。

柢王に置いていかれたショックで、周りの人々の思いやりさえ受け入れたくないという桂花を見ているのが本当に辛い。柢王は愛する桂花を危険に晒したくない一心で残していったのに、悪い方へ物事を考え、自分自身を貶める思いに捕われた桂花を見ていると遣る瀬ない気持ちになる。

身を挺して桂花の危機を救ったアシュレイと、生誕祭さえ放り出して窮地を救いにきてくれたティアと共に柢王の帰りを待つ気持ちに傾いてくれてちょっとホッとした。
二人の言動の中に、柢王の心が息づいているのを感じてくれて本当によかった。

心では桂花を心配しながら、なかなか素直に態度に表せないアシュレイが可愛い(^^)
でも状況はすごく危うくて、天界がなす術もなく冥界教主の思うがままにされそうで怖い。

邪道 比翼連理 上 (講談社X文庫ホワイトハ-ト)邪道 比翼連理 上 (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
沖 麻実也

講談社 2006-12-02

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ドラマCD『ホネヌキにされたい』

大好きな北上れんさん原作の「ホネヌキにされたい」が保科 :森川智之、篤史 :鳥海浩輔、真咲 :谷山紀章の豪華キャストでドラマCD化された(^^)

全体的にコミカルな感じのつくりで、保科はカワイイし、篤史は健気、保科の弟の真咲は突き抜けていて、内容もほぼ原作に忠実に作られていた。
しかし、大満足(^^)とまではいかなかったのは、エピソードとエピソードの間がうまく繋がってないなあと思ったり、H場面への転換が唐突だなあと感じたところがいくつかあったからかも。
もうちょっと演出で練って欲しかったなあと思わなくもない。
フリートークは、文句なしに面白いんだけどね(爆)

喘いでいる声はとっても可愛いんだけど、自分としては、やはり森川さんはアンアン言わせる方が好きかも(^^;

画像はコミコミスタジオへのリンク

ホネヌキにされたいホネヌキにされたい
イメージ・アルバム

インディーズ・メーカー 2008-07-30

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『テッペンカケタカ』石原理

萌えた(^^)
石原さんの描く男って、なんてカッコいいんだろう。
寅次郎とさくらの関係に萌え、緋高と八代の関係に萌えた。

親の庇護下から放り出された寅次郎とさくらが、現実の厳しさを跳ね返して成長し、それぞれのやり方で這い上がっていく姿を見られるのかと思うとワクワクする。
幼いながら、互いを自分の運命の相手とし、ヤクザ相手に人生さえ丸ごと賭ける寅次郎は気迫に満ちて、その眼には思わず惹き込まれる。
寅次郎とさくらの運命に巻き込まれた(そういう風に見えるんだけど)緋高と八代の大人ペアも双方男前で、二人の駆け引きめいたやり取りにゾクゾクする。
冒頭で見せた寅次郎とさくらの現在の二人の姿に、過去の物語が早く追いついてほしいと思う。

テッペンカケタカ (ミリオンコミックス Hertz Series 41) (ミリオンコミックス  Hertz Series 41)テッペンカケタカ (ミリオンコミックス Hertz Series 41) (ミリオンコミックス Hertz Series 41)
石原 理

大洋図書 2008-07-14

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ドラマCD『さよならを言う気はない』

原作が好きなので楽しみに聴いた。すんげ〜よかった(^^)

天海役の小野大輔さんは、ほぼ初めて聴いたんだけどすごくよかった。
高飛車で傲岸不遜な天海が、情け容赦なく陣内をいたぶり、可愛く、艶っぽく性悪猫のように陣内を誘ったかと思えば、ドスの利いた声で見事な啖呵を切る。まさに天海がそこにいるようだった。
嫌みったらしく言う"マイ スウィート ハニ〜"も、囁くように陣内の名を呼ぶ声も、TPOに合わせた声色も、ホントに素晴らしかった(^^)

陣内役の森川さんの、減らず口を叩きながらも天海を思い、彼を守ろうとするヘタレたおやじっぷりも見事だった。
天海を思う自分自身にジレンマを抱えながら、その存在自体で彼を包み込もうとする包容力が感じられて惚れ惚れした。

続編もあるので、とても楽しみだ(^^)

Dramatic CD Collection さよならを言う気はないDramatic CD Collection さよならを言う気はない
ドラマCD

ムービック 2006-12-28

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『幸運的生活のススメ』滝井ルカ子

悉く運に見放された、生まれついての不運体質を持つ榛原美貴は、4つの会社を潰し故郷へと帰ってきた。そして弟が経営するケーキ屋でアルバイトをするのだが、いつもは大繁盛の店に閑古鳥が鳴く始末。
しかし、偶然にも甘いもの好きな、幸運の星の下に生まれついた常連客、高澤葵と出会った。
美貴の身の上話を聞いた葵は、自分の運が美貴にも伝染するようにと同居を提案する。

両極端な二人が出会って、案の定次々とトラブルに巻き込まれていくという話。
美貴はいろいろと辛酸を舐めてきているけれど、自分を卑下することなく卑屈になることもなく他者への労りと暖かい目線をもった希有な男だ。
そして初対面から何故か美貴に好意的な葵は、自称"上げ○ン"などと、すごい発言をかましてくれるが、彼が美貴を気に入るのにもちゃんとした理由があったりする。

幸運を背負って生きてきた葵に対して、彼の運目当てに甘い汁を吸おうと近づいてきた者達から、いろいろと不快な目に合わされたんじゃないかと、葵を気遣う美貴の心遣いが優しい。
だか、自分が葵に近づいたせいで、彼が本当に会うべき人に会えなくなるんじゃないかと、悩んでいる姿に焦れったく感じるところもある。

最初は、美貴に対してあまりにも寛大な葵に嘘くさいものを感じるけれど、彼がそこまで美貴に入れ込む理由がわかってからは、なんだか彼の行動がいじらしくさえ思えた。
途中、スリリングでドキドキさせられる展開もあるけれど、とても心温まる物語だった。

"上げ○ン"開運法とやらにちょっぴり期待してたんだけど、結局二人の仲ってキス止まり??

幸運的生活のススメ (Hug NOVELS)幸運的生活のススメ (Hug NOVELS)
滝井 ルカ子

メディエイション 2008-07

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『美男の達人』小林典雅

面白かった(^^)

ルックスはいいのに女性と交際した経験はない主人公 上遠野瑛士は、同僚に頼まれて美男塾の説明会に付き添わされてしまった。
しかしそこで講師の夏秋の笑顔に一目惚れしてしまい、彼に会うために美男塾へ入塾を決意したのだった。

講義を重ね夏秋を知るうちに彼への想いが募って、とうとう告白にまで至るのだが、けんもほろろに断られてしまう。上遠野のアプローチがが真剣になればなるほど、夏秋が営業スマイルを捨てて態度を硬化させていくところがまた面白い。
しかし乙女要素を素因に持つ上遠野は、大好きになった人と一緒にやりたいことをいろいろと温存していたというだけあって、どんなに手ひどく断られてもめげずにアタックするのだ(笑)
そのちょっとやそっとじゃあきらめない根性に拍手。

話の半分程が美男塾の講義内容だったりするのだが、そこがまた面白い(笑)
女性の本音をこれでもかと、言葉にした内容に思わず感嘆。ホントにこの通り実践できれば言うことないだろうと思うけど、そこまで完璧にできる男がいたら逆に引いてしまうかもしれない。
あまりに出来すぎる人間というのも問題なんだよ(笑)

実は、塾頭と夏秋の間に何かあるんじゃないかと勘ぐったりしていたのだが、どうやら塾頭は他の塾生に心を奪われたようだ。
その話もぜひ読んでみたいなあ。

美男の達人 (白泉社花丸文庫 こ 6-1)美男の達人 (白泉社花丸文庫 こ 6-1)
小林 典雅

白泉社 2008-06-19

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『咎狗の血 5』茶屋町 勝呂 / Nitro+CHiRAL

いつの間にか、5巻(^^;
ラインで力を増幅させた猛の攻撃からなんとか逃がれたアキラだが、己の血に秘密があるのではないかと思い始めた。
一方、謎の男(n)の過去とシキが彼を追う理由、源泉とアルビトロの過去の確執も明らかになりつつあって、少しずつ加速度を増してきた物語にワクワクする。

トシマを彷徨いながら挑まれ、闘う最中に衝動で我を忘れてしまうほどに相手を打ちのめしたアキラは、後になって自分の行動に愕然とする。
そんな中ケイスケに襲われ、彼の変貌ぶりと、その心の奥に蓄積されていた負の感情を突きつけられ愕然とするのだった。
ケイスケの迫力に、このままなす術もなくバッドエンドへ突入してしまいそうな雰囲気が漂っていてドキドキする。

咎狗の血 5 (ビーズログコミックス)咎狗の血 5 (ビーズログコミックス)
茶屋町 勝呂

エンターブレイン 2008-06-30

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ドラマCD『恋愛操作 2』

変なプライドや意地が邪魔をして、自分の本音を素直に相手に伝えられない大人達の恋愛模様。
本気になったら駆け引きなんて考えてる余裕なんかないのにね。
お互いの気持ちを確かめ合ったはずなのに、些細な気持ちのすれ違いが大きな誤解に繋がったりして…

2作目とあって、奥村(cv.小西克幸)も山代(cv.成田剣)も役に馴染んだみたいだ。
奥村はフェロモン全開で甘い言葉を惜しげもなく囁いてくれるし、山代の声は堅さがとれて「奥村…さんっ」のあとにheart01が飛んでいるような、前作よりもやわらかで艶を帯びた色気が感じられた。
原作を読んだ時に、実際に喋ったらどんな感じだろう…と期待していた奥村のセリフ「手をはずしなさい 声も私のものだ」は、期待通りのセクシー声でとても素敵だった。
「…したよ 死ぬ程嫉妬した」も切羽詰まった感じでスゴくよかったheart02
二人のラブラブなシーンも追加されていて満足(^^)

恋愛操作2恋愛操作2
イメージ・アルバム

インディーズ・メーカー 2008-06-25
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ドラマCD『恋する運命なのだから』

いつもと違うポジションの森川さんを聴いてみたかった。

森川さんが演じる、由唯の明るくて幾分高めの青年声も、やっぱり素敵。
原作を読んだ時は喚いてばかりいる由唯に少々うんざりもしたけれど、森川さんの声で聴くとスゴく可愛い。恥ずかしさに打ち震えている時の声とのギャップもいい感じ。
従兄の由唯を一途に愛する、相手役の遊佐さんの自分本位に見えるけど、実は優しくて包容力のある隆一もよかった(^^)

原作のエピソードは全てCDに収録されてはいないけれど、由唯の可愛さと隆一の優しさが伝わってくる。
セリフの数は少ないけれど、二人のママンたちの存在感もすごかった(笑)

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恋する運命なのだから恋する運命なのだから
ドラマ

フィフスアベニュー 2008-03-26

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『大人は愛を語れない』崎谷はるひ

役者志望で、親の反対を押し切っても自分の夢を叶えようと突き進む湯田直海。
トラブルが重なってクリスマスの夜に行き倒れていた直海を拾ったのは、居酒屋「韋駄天」の店長 宮本元だった。

行き場のない直海を居候させる半分世捨て人のような宮本は、突き放しているように見えて、虚勢を張って頑張る自分を誰よりもわかってくれる。そんな宮本に直海は次第に惹かれていく。

直海の気持ちを知っているのに、大人の狡さで宮本は気づかない振りをして、物語はトントン拍子に進まないのだが、そこがまたいい。
誰かの力を借りることは、決して負けだったり恥ずべきことではないと教えられて、成長していく直海が、宮本への思いを募らせていく過程が切ない。
距離を置いて、時間もおいて、それでも"好きだ"と思う気持ちがゆっくりと熟成されていく感じが好きだ。

崎谷さんの作品でよく見られる、傷を抱えた大人に年下の彼が若さ故の一途さで閉じた世界に割り入ってく…そんな構図がとても好きだ。でもって、経験不足から返り討ちにあっちゃうところがまたよかったりする(笑)

大人は愛を語れない (幻冬舎ルチル文庫 さ 2-15)大人は愛を語れない (幻冬舎ルチル文庫 さ 2-15)
崎谷 はるひ

幻冬舎コミックス 2008-06-16

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"Papillon de chocolat"

慈英×臣シリーズのAtis collection購入者特典CDが、ようやく到着(^^)
50音順の発送だったのかなと推測。

あちこちで噂になっているとおり、もの凄く『大変なCD』だった。
ストーリーは既読で、バレンタインネタのかなり密度の高い話だって知っているんだけど、声で綴られる物語はそれ以上で、耳から直接脳へと伝わる破壊力はハンパじゃなかった(^^;
短い物語の中でもちゃんと背景やBGMまで作り込んであって、ホントに贅沢な1枚だ。
フリートーク前の「ここからのトラックは…」というアナウンスも、三木さん、神谷さん、てらそまさん達によるフリートークも作品への愛を感じられて面白くて素敵だった(笑)

書き下ろし小冊子は、照映が二人の家を訪れて初めてリアルで臣と対面する話で、面白くて濃い内容に思い切り笑って、思いっきりドキドキさせられた。

実は、1作目を普通に購入した後からこの公式通販特典の情報を知って、2作目が出た時に1作目を公式通販で買い直した経緯がある。
つまり1作目を2枚持ってるんだけど、あのとき思い切ってなかったら今頃は猛烈に後悔していたに違いない。
Atisさん、本当に素敵な企画をありがとう〜♪

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『37℃』杉原理生

薄氷を踏むような緊張感が漂っていて最後まで気を抜けない話だった。
思いを告げた幸せそうな二人が描かれていても、絶対にまだ何かあるんじゃないか…と心のどこかで思わせるような雰囲気が漂っていた。

学生時代に惹かれ合っていた野田と若杉。
自分が若杉に惹かれていることを認めたくなくて、相手に酷い行為を迫る野田。彼は痛めつける側の心が痛むなんて露程も思っていない。狡い男だ。
それでも好きな男の言うままに若杉は望みを叶えてやっていたが、心とは裏腹の行動に心が疲弊していき耐えきれずに逃げた。
そんな二人が十年の月日を経て再会したことから物語が動きだす。
過去をオブラートに包んだまま暮らし始めた二人の間に、いつ何が起きるのか…うなじがチリチリした。

野田の一人称で淡々と綴られる物語は、彼が自分さえも信じきれない男なのだとわかる。両親や世間の目を気にしながら本当は自分が常識に囚われ、そこから逸脱する自分に後ろめたさと仄昏い喜びを感じている彼はとても屈折している。
野田の言葉に翻弄される若杉が可哀想だが、それでも章を重ねるごとに野田は自分に正直になってきていたと思う。若杉の気持ちを察してやれるようになったことにも、心の成長を感じさせた。

だが最後に、あんな展開が待っているなんて思わなかった。
厳しい現実を乗り越えられてもバラ色の未来はないかもしれない。けれど自分の愛する者と自分自身の存在をかけて闘って欲しいと思った。
野田が、なりふり構わずに欲しいものを守ることができたら、苦みを伴っても幸せを噛み締めることができるのではないだろうか。

37℃ (SHY NOVELS 206)37℃ (SHY NOVELS 206)
北畠 あけ乃

大洋図書 2008-05-24

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『独裁者の恋』岩本薫

天涯孤独の水瀬祐と、祖父の遺言に従って彼を遠くから支えていた英国人サイモン・ロイド。

英国紳士と過ごす夢のような6日間、初めての恋、じーちゃんずの友情、など萌え要素はバッチリ(^^)

およそ何でも手に入れられる男と、自分以外の何も持たない初心な青年。
過去に一度会っているとはいえ、共通点のない二人が揃って恋に落ちていく様子を、すぐ傍で見ていたサイモンの秘書クリスが羨ましい。

祐とサイモンが気持ちを確かめ合うまで、もう少し距離と時間をおいてくれたらベストだったとは思うけれど、面白かった。

独裁者の恋 (角川ルビー文庫 (R122-1))独裁者の恋 (角川ルビー文庫 (R122-1))
岩本 薫

角川グループパブリッシング 2008-06-01

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【TB企画】BL100冊 2008

BL×B.L.TB企画参加

昨年に続いて、BL作品を100冊選ぼう!というこの企画。〆切までは、まだ一週間あるがこれ以上悩んでも決まらなさそうなのでupすることにした。

昨年選んだ100冊をベースに、新たに加えたり外したりして、小説6:漫画4の割合でセレクト。
なるべく1作者1作品で…と思ったけれど、思い入れのある作品はどうしても外せない(泣)ということで、マイルールで3冊を上限とした。
思いつくままに挙げていったので50音順にすら並んでいないけどご容赦を(^^;

では、長くなるので興味のある方だけどうぞ(^^)

続きを読む "【TB企画】BL100冊 2008"

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『黒い竜は二度誓う』英田サキ

祖国のために自分の身を犠牲にして隣国ガズマールに虜囚となったラシュリ王子は、同行した家臣の身を盾にとられ男娼同然の扱いを受けても、来るべき日に望みを託して屈辱に耐えていた。
幼い頃に一度だけ出会った黒い竜から貰った赤い鱗を耳に飾るラシュリ。"全ての望みを叶える鱗"の言い伝えはラシュリの仄かな希望だった。

竜が登場するというのでワクワクして読んだ。ストーリーをもう少し掘り下げてもいいかなと思ったが、キャラの魅力ドラマティックな展開で面白かった。

自分への独占欲を隠さない専制君主のザクトーレの思惑を逆手にとって、剣闘士のジェイドを自分の従者としたラシュリ。
タイトルとジェイドの風貌から、彼が昔であった竜だという想像は難くない。

記憶を無くしているジェイドが質問攻めにするシーンは微笑ましくて面白い(笑)
他意の無い質問は、ラシュリの心をチクチクと苛むが、裏表の無い彼がラシュリの心の安らぎになったのも確か。
ジェイドの真摯な忠誠がラシュリの心を揺さぶり、彼への思いに応えたいと思う気持ちと、ザクトーレに彼を殺させたくないという気持ちがせめぎあう。

それにしても独裁者ザクトーレの狒狒爺っぷりが凄い。
ラシュリとジェイドの関係をただの主従から愛し合う者へと変えたのは、ザクトーレの異様なまでの嫉妬心かもしれない。
処刑されようとするジェイドをラシュリが身を挺してやめさせようとするクライマックスシーンは、ホロリとくる。

だが、そのあとのシーンで「ケェーッじゃ、わからんっ」というセリフで爆笑。せっかくのシリアスな雰囲気が〜と思うけど、それもまたいいかなと思える(笑)

何もかもお見通しのようなサラマーヤ猊下(ウェーバ神の聖皇で神の代理人ともいわれるお方)が素敵(^^)
あんな助言をするくらいだから、彼と彼の竜との関係はどうなってるのか知りたいところだ。

中村明日美子さんの、襲い受けと誘い受けのラシュリを描いた絵が素敵(*^^*)

黒い竜は二度誓う (花丸文庫BLACK ア 1-1)黒い竜は二度誓う (花丸文庫BLACK ア 1-1)
英田 サキ

白泉社 2008-05-20

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『由利先生は今日も上機嫌』木下けい子

悪い男(作家)と、彼に振りまわされ誑かされていく純な編集者の話だが、面白かった。

絵のやわらかな線と、昭和のおだやかな佇まいが合って、とてもいい雰囲気。
担当編集者の弱みに付け込んで、六車に無理難題を吹っかける由利先生の時々見せる嬉しそうな顔がとても印象的だ。
察しの良くない六車相手に、思わぬ反応を示されて拗ねたりむくれたりする由利が可愛い。
だが、由利の言動に一喜一憂する六車はもっと可愛くて、彼を見ているとS心を刺激される気持ちも何となくわかるような気がする(笑)

時折ぼそりと漏らす言葉に、心の底にある消えない戦争の痛みが窺える由利の人物設定も好きだ。
「君を見てると 平和を実感するよ」というセリフが、普段の飄々とした姿の裏に隠された由利の翳を連想させて、ドキッとした。

由利先生は今日も上機嫌 (ミリオンコミックス 84 Hertz Series 39)由利先生は今日も上機嫌 (ミリオンコミックス 84 Hertz Series 39)
木下 けい子

大洋図書 2008-05-01
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『花がふってくる』崎谷はるひ

従兄の袴田涼嗣に恋した蓮実秋祐の長い長い片思いの話。
静かに語られるストーリーに、今市子さんの絵が合ってる。


一度は涼嗣への思いを諦め自らの意思で離れた秋祐だが、今は互いに本質から目を背けたままで同居している。それも同居というより、涼嗣の監視下におかれている感じだ。涼嗣の行動は誰が見ても尋常じゃないほど秋祐に執着しているというのに、彼自身は甘やかしている自覚がないというのが残酷だ。
結婚を決めた涼嗣へ、長い時間をかけて育てた蛍に自分の思いを託す秋祐が切ない。
『恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす』と言うように、秋祐が人知れず恋い慕う姿と蛍が重なって見える。
彼の気持ちをこれっぽっちも気づいていない涼嗣の傲慢さがひどく憎らしく思えた。

涼嗣の身勝手さは好きになれない。けれど腹をくくったその後の行動は潔いと思う。
唐変木だけど一途な男だと思う。

痛みと掻痒感で胸の奥を掻きむしりたくなるような感じの後に、ひたひたと満ちてくる甘さが心地いい。

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花がふってくる (DARIA BUNKO)花がふってくる (DARIA BUNKO)
崎谷 はるひ

フロンティアワークス 2008-05-13

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『菫の騎士』榎田尤利

箱庭のような、精霊の祝福を受けた土地ベネボレント。
代々オキーフ一族が治めるこの地の当代領主アルヴィンには精霊たちと交流できる希有な力が備わっていた。
小さい頃に一緒にベネポレントで育った従兄のダンテが母親の墓参にやってきた。ヴァンダイク公爵家の養子となった彼がここを訪れるのは15年ぶりのことで、アルヴィンの心は小さかった彼を思い懐かしさが溢れた。
しかし、彼は昔の彼ではなかった。

以下、思い切りネタバレしてます。



アルヴィンは昔の思い出も自分のことも拒絶するようなダンテの態度に、抱いていた違和感が少しずつ不信感に変わろうとするのだが、どうしても彼がそんな人間だと認めたくない。
どんな仕打ちを受けても、最後の最後でダンテを信じるアルヴィンの善良さが押し付けがましくてその愚直さにイラッとした。
だが、人を信じ精霊たち信じ、ベネボレントの地を愛するアルヴィンに今のようでなかった時期があったということに少なからず驚かされた。
精霊たちの祝福を受けて、この理想郷のような地で辛酸を嘗めることなく幸せに暮らしてきたものだとばかり思っていた。
では、彼が今のようになったのは何故か!?

人も精霊も信じられなくなってたアルヴィンに、自分という存在の希有さを説き、故郷のためにも「生きのびろ!」とその命と引き換えに真の強さを教えてくれたのは叔父ギルバートだった。
"信じる"と口にすることはとても容易いが、実際無条件に相手に委ねてしまうのはとても怖い。だがそれでも人を信じ、自分も信頼に値する人間になれと語ったギルバートの言葉がアルヴィンの支えとなっている。

信じることをやめ、かたくなに心を閉ざしているダンテの姿に昔の自分を重ねていたアルヴィンが、真に勇気ある行為とは信じることだ…と、かけがえのない犠牲に教えられたように、なんとかダンテにもわかってもらいたいと言葉を重ねる姿に胸が熱くなる。
しかし、それが却って相手の心を頑にしてしまう歯痒さも痛いほど伝わってくる。

後半以降の国王との争いはややあっさり目な気もするが、領地争いや陰謀劇を描くと1冊では収まりきらないと思うので仕方がないかなと思う。
ただ土の匂い、花の香り、風の流れといった細やかな描写は村の空気を感じさせてくれて、食べ物の描写もすごく美味しそうだ(笑)
精霊と人間、人間と人間、そして自分自身など、たくさんの信じる心がベネポレントを支えていて、信じる気持ちが精霊たちを生かしている。村の人々が精霊を信じなくなればその存在は消えていくのだろう。
ラストシーンも美しくて幸せな気持ちが胸を満たしてくれる。
ただ、このままだと大事な血筋が途絶えてしまうんじゃ…と気がかりだ(^^;妹はいるけどね

余談になるが、今回一番強烈だったのはダンテがアルヴィンの体を無理矢理開かせようとする、あのシーンの描写だ。
『未だに青みを残す果実のようなアルヴィンにとって、ダンテの愛撫はあまりに強烈だった。まだ硬く、冷たいリンゴの切り口に、熱したバターをかけたようなものだ。果肉の上にバターは溢れ……確実に染み込んでいくぶんもある…』と表現するなんて…すごい!
リンゴとバターの組み合わせだなんて、さすが榎田さんだなあと感心。

菫の騎士 (SHY NOVELS 205)菫の騎士 (SHY NOVELS 205)
榎田 尤利 ライトグラフII

大洋図書 2008-05-09

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『誘惑のフライト・ロマンス』夏目もも

航空会社にキャビンアテンダントとして入社した末雪朔は、憧れの隣のお兄ちゃん"山際真人"と10年ぶりに再会した。しかし嬉しさで舞い上がっている朔に比べて、久々に会った真人はずっと不機嫌そう。
いろいろと事情が重なって、同じ航空会社のパイロットの彼と同居することになったけれど、昔のように打ち解けて話をする雰囲気ではない。
目も合わせてくれない真人の態度に朔は淋しさを感じた。

以下、ネタばれあり。

結局は紆余曲折のあとハッピーエンドになるのだが、真人は、つれない態度をとっていたかと思えば、ある出来事を機にやたらと気にかけてくれるようになって、自分の気持ちを言葉で伝えずに朔の心を振りまわす。
はっきりモノを言わないくせに、察してほしいなんて、真人ってなんだか子供っぽいなあと思う。
一方、真人に頼まれて朔の情報を教えて入れていた、先輩CAの麻里子さんがいい味出している。
危ないところを助けてもらって真人のカッコよさにドキドキしている朔に、傍目には大事なものを取り上げられて切れちゃった風に見える、とバッサリ斬っちゃうところなんてすごくいい。

いざ告白されても、朔は自分が相手にされていないと思っているのでピンとこない。
それでも、もしかして…と期待を膨らませ、体を求められてやっとその事実に気づくのだが、そこでそのまま感情に流されるかと思ったのに「遊びなら他の人にして」とキッパリ言える朔が好きだ(笑)

誤解を解こうと真っ正面からぶつかっていく朔の潔さに比べると、なかなか自分の本心を打ち明けない真人は回りくどい(^^;
せっかくいい男の条件が揃っているのに、このままうかうかしていると、朔に主導権握られちゃうんじゃないのかな(笑)

この作品がデビュー作だそうだけど、次は麻里子さんが思わず惚れちゃうような大人の男を是非(笑)

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誘惑のフライト・ロマンス (角川ルビー文庫 121-1)誘惑のフライト・ロマンス (角川ルビー文庫 121-1)
夏目 もも

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『したたかに誘惑』あすま理彩

収録されているのは表題作を含めて2作で、石原理さんの表紙に惹かれて手に取った。
どちらにも顔も仕事も俺様度もMAXなキャラが登場して、ちょっとお腹いっぱいな感じだけど、面白かった。

"したたかに誘惑"は、スクープを狙う新聞記者の安藤大毅と彼が追うエリート官僚 広重東吾の話で、黒いうわさのある財務省のキャリア広重に狙いを付けて、真相を暴こうと近づいた安藤が彼について知れば知るほどその魅力にハマっていく話。どっちも出来過ぎって感じがするくらいにイイ男だ。

"艶やかに征服"では、広重とは別の財務官僚が登場する。学部は違うが同じ大学を卒業して同期入省した若狭将司と白川貴晶。白川は学生時代から若狭への思いを抱えていて、友人として傍にいられればいいと思っていた。その白川の気持ちを利用した上司が、若狭の不正を散らつかせ、口止めの代わりに体を要求してくる。
若狭を信じたいと思いながらも、証拠を探すため深夜に若狭の机を探っている処を本人に見つかってしまって…という話。

元々は若狭と白川の話が先で、安藤と広重の話は書き下ろしなのだそうだ。
"したたかに誘惑"で若狭と白川が、そういう仲のような雰囲気で登場したので、気になっていたのを裏付けてくれる内容だったのと、広重の鮮やかなお手並みにとても満足(^^)

しかし"艶やかに征服"では、"はじめて"のシチュエーションがちょっと無理矢理っぽくて、どちらかというと読後感は"したたかに誘惑"の方が好みだ。
無理矢理のシチュエーションが嫌いな訳じゃないけど(笑)、それまでは同等だと思っていたずっと好きだった男に、力で捩じ伏せられ屈服せざるを得ない白川の悔し涙が痛い。
比べて、安藤と広重の話では体格差はあまり感じさせず、第一印象最悪の相手に次第に惹かれ喰っちゃうつもりが喰われてしまったのか!?という錯覚するような好敵手っぽい雰囲気がいい。

表紙の広重の流し目が素敵だ(^^)
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したたかに誘惑 (B-PRINCE文庫 (あ1-1))したたかに誘惑 (B-PRINCE文庫 (あ1-1))
あすま 理彩

アスキー・メディアワークス 2008-05
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『一途恋愛のススメ』緋夏れんか

前作で秋津との愛を今一度確かめ合ってから約十日。
久々に帰国した秋津にゆっくりオフを過ごしてもらおうと思う流の気持ちに反して、秋津は忙しくてなかなかそうもいかない。

秋津のマネージャーの葦原が兄菱和に流を紹介するが、出会って早々洲世と別れるように言われる。
スポンサーの立場と、彼の評判や世間体、将来に傷を残すなどと無視できないことを引き合いに出してくるのだから卑怯だ。

以下、少々ネタばれ注意!

散々悩んだ末に流が秋津の言葉で吹っ切ることができたのも、二人の気持ちがしっかり結びついているからだ。
可愛がられているだけの存在じゃないことを見せつけくれる流が、秋津と兄の溝を埋めるために、お互いに歩み寄れるような策を弄する。
それぞれの立場も気持ちも考えて落としどころを狙ってくるなんて、スゴい。

兄が秋津を思う気持ちもわからなくはない。
ちゃんと彼なりのポリシーで行動しているので、まったくの悪役として登場している訳じゃないのは魅力的だと思う。ただ、やり方がとても強引だけどね。
一方的に手切れ金まで突きつけて別れろと言われたのに、兄の気持ちを思いやれる流はホント逞しくなったなと思う。
ただ、あまりにイイトコを見せすぎると、某一族みたいに兄からもモーションかけられちゃうかも(笑)

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一途恋愛のススメ (角川ルビー文庫 111-6)一途恋愛のススメ (角川ルビー文庫 111-6)
緋夏 れんか

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『非保護者』椎崎夕

幼い頃から大好きだった「おにいちゃん」の優しさが償いのためだったと知り、裏切られた気持ちになって以来、彼の言葉を素直に聞くことができなくなった麻倉征。
自分の不注意から怪我をさせてしまい、母の優しさもピアニストの夢も断たれてしまった征を見守るうちに庇護以外の感情を抱くようになった瀬尾篤史。
お互いに好きで、手を伸ばせば届く距離にいながら気持ちを告げることなく傷つけ合う二人が、焦れったくて切ない。

以下、ネタばれ注意!!

最初、征のことをお目付役の瀬尾を困らせるために大学をサボリ、夜の町に出かけてはガラの悪い者達とつるむ、暴言を吐く、など非常に子供っぽい甘ちゃんだと思った。
だが読み進むうちに、瀬尾の前でわざとはすっぱな物言いをする征が痛々しくて、中島みゆきの「悪女」の歌詞が頭を過った。(健気な姿がなんとなくダブる)

瀬尾に愛想を尽かされたと征が思った時に、瀬尾を自分に縛りつけていた年月は償いにはもう十分だと叔父の新見に諭され、彼を解放するように言われる。
これまで何もしなかった征が自分の足で歩くための計画を実行に移し、彼と離れる決意をした気持ちを思うと、涙が溢れてきた。身を切るような思いで瀬尾の心をえぐる言葉を投げつける、征の声にできない思いが胸を突く。

征から見ると完全無欠に見える瀬尾の方もいろいろな感情を抱えていたようで、後半で自分の気持ちを吐露しているのが面白い。独占欲の強さを慇懃な鉄面皮の裏に隠していたところに萌える。

彼に何かと助言?してくる征の叔父 新見がなかなか曲者で、二人の気持ちをどこまで知っているんだろうと思わせる。
自分でも気づいていない瀬尾の気持ちを見抜いたり、瀬尾絡みの征の行動を見透かしたりできるのは、自分にもそういう覚えがあるからじゃないのか…?と勘ぐってしまう(笑)
もしあるなら、叔父編も北畠あけ乃さんの絵で是非!

非保護者 (SHY NOVELS 203)非保護者 (SHY NOVELS 203)
椎崎 夕 北畠 あけ乃

大洋図書 2008-04-26
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『兄弟限定 BROTHER×BROTHER 3』如月弘鷹

1巻の時点から、なんとまだ2週間しか経っていない(^^;

総一郎が白川家へやって来たことで要は前向きに人生を考える決意をし、兄もまたこのままじゃいられないってことに気づく。
三者三様の思いが交錯するなか、新米俳優として映画の仕事をしている総一郎の同じ撮影現場へ兄の雅東が舞台監督として招聘された。
そして今回登場した橘弥緑が、お互い自覚していない総一郎と要の気持ちに気づき、二人の関係を壊そうとしたことで、総一郎と要は思いを確かめ合う。
ありのままの自分を丸ごと受け入れてくれた総一郎が、心の拠り所となった要の幸せそうな笑顔が嬉しい。
このあと、要はトラウマの原因である母 仁岡桜子の影響が色濃く残る映画の現場へやってくることができるのだろうか…?

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兄弟限定! 第3巻  BROTHER×BROTHER (あすかコミックスCL-DX)兄弟限定! 第3巻 BROTHER×BROTHER (あすかコミックスCL-DX)
如月 弘鷹

角川グループパブリッシング 2008-05-01

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ドラマCD『ジェラールとジャック』

エンタメシンクタンクの待望の第一弾作品(1st season)『ジェラールとジャック』よしながふみ原作は、本編2枚組+朗読CD付きという豪華版。

配役はジェラール:森川智之 ジャック:遊佐浩二 ラウル:井上和彦

原作で描かれるジェラールは年を重ねながらいくつもの顔を見せてくれるので、演じるのは大変だったと思うけど、シリアスとコミカルな感情の振り幅を声だけで演じ分けているのは流石森川さん(^^)

飾らない物言いでも十分カッコイイのに、ふてぶてしく皮肉っぽい声、激高する声もあれば、相手に本音を読ませないふざけたものの言い方も素敵。
そうかと思えば、若くて初心な青年の戸惑った様子や、胸をえぐるような慟哭、冷笑が浮かぶような酷薄な声、ベッドの中の情熱的な囁き、真摯に愛を告げる声など多彩な演技に魅了されてしまう。

クライマックスで、ともに生きてゆける喜びを感じ、二人が愛を交わすシーンで森川ジェラールが告げる"愛してるよ"は胸に「とすっ」ときた。
その後に続く"愛してる"の囁きの波に酔ってしばし呆然としてしまったが、あの艶かしい声は、ホント心臓に悪い。

遊佐さん演じる純粋なジャックも可愛くて健気で、すごくよかった。いたいけな少年が運命に翻弄されながらも誠実で思慮深い青年へと成長してゆき、自分の出生の秘密を察して涙するシーンは、ジェラールでなくても抱きしめてやりたくなるくらい。

ジェラールを思いながら、体の反応に心がついていかなくて戸惑う姿もカワイいけど、意識しすぎたあげく爆発しちゃうシーンは、思わず笑ってしまった(笑)


"人でなし"なラウルを演じる井上和彦さんの、危険な香り漂う色気を含んだ声が超絶素敵!
勝生さんの高慢さが可愛くて色っぽいナタリーの艶やかな声と、彼らに二人掛かりで攻められて喘ぐ若いジェラールの声は悶絶もの。
回想シーンでのこの3人の掛け合い(3Pも含む)は本当に豪華で贅沢で、まるで映画を見ているような錯覚に陥る。
そして、年を経て荒んでいく退廃的なラウルもまた魅力的だし、その他の脇を固める執事のポール、メイドのシャルロットの押さえた演技も自然な感じでとても素晴らしい。


作中に流れる音楽も素敵で、舞台や映画にも使えそうなくらいの重厚なものから、心に染み入るやわらかな旋律まであって、場面の転換で効果的に使われている。

朗読CDはいくつかのシーンをピックアップして声だけではわかりにくい状況や心情をつづってあって、同じ台詞でもドラマとは違って、押さえ気味なところが光っていた。
原作を知っていれば必要ないのかもしれないが、本編への補完的な意味合いも兼ねたこの一枚に込められた作り手側の心意気を感じられた。

原作ファンの期待を裏切らない素晴らしい力作で、ほんとうに嬉しい。
こんなに素敵な作品をありがとう!
でもって、フリートークでのギャップに一番驚かされたのが遊佐さん。
凄い!やっぱり役者さんだなあ〜と感心してしまった。

ジェラールとジャックジェラールとジャック
森川智之;遊佐浩二;井上和彦;檜山修之;勝生真沙子;山口勝平;他

Independent Label Council Japan(IND/DAS)(M) 2008-04-25

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ドラマCD『あざやかな恋情』

これがラストのシリーズ3作目。
山間の村へ駐在として赴任した臣と、それを先回りして待っていた慈英の仲睦まじい生活に、里山を荒らす不審者や臣の父親の手がかりかもしれない情報が絡んでくるが、シリーズ中最も甘い話だ。

前情報で、今回はかなり甘い内容とのことだったが、非常に甘かった。
慈英が臣を甘やかすシーンは、聞いていて居たたまれないくらい。言葉がなくても、艶を帯びた吐息で多くを語ってくれる、慈英の声のトーンが柔らかくて蕩けそうだ。
だけど、無茶ばかりする臣を戒めるために本気で凄むシーンもゾクゾクするくらいに素敵。

臣はというと、こちらもやっぱり凄い。慈英に甘えて煽り立てる声が、受けているのに何故か主導権を握っているかのような余裕も感じさせた。それに翻弄される慈英も一層艶かしい。

臣と慈英が睦みあうピロートークのような甘ったるさの中に(そればっかりじゃないので心配無用)、存在感を見せているのが堺と今回のゲスト浩三だ。
浩三を演じるてらそままさきさんの朴訥な喋りが堂に入っていて、とてもルカ・コバッチュには聞こえない。さすがプロだなあと感心してしまう。

そして、神谷さんの泣きの演技は素晴らしいgood

コミコミオリジナル特典付!★3月新譜☆【コミコミ特典付】●あざやかな恋情●

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『暁月のテロリスト』波奈海月

「おまえの"動く盾"になる!」というオビと、高階佑さんのイラストに惹かれて手に取った。大変面白かったけれど、オビの言葉は内容とはちょっと違うような気がした(^^;

地下鉄駅の無差別爆弾テロで負傷し記憶喪失となった志嶋伊月を自宅で引き取ってケアしてくれているのは、伊月の友人で恋人でもあった矢敷隆直。
矢敷はテロリスト対策を担った警備部公安課の警部で、伊月の保護と監視を同時に行うために彼を引き取ったのだった。しかし元恋人同士だったとはいえ、彼らには7年のブランクがあった。

容疑者か被害者かの決め手がない伊月を恋人として守りたいと思う矢敷だが、警部という立場上彼を疑わざるを得ない自分にジレンマを抱えていた。
一方の伊月も、自分の記憶を取り戻したいと思いながら、すべてがわかった時に矢敷と一緒に居られなくなるかもしれない、という漠然とした不安を抱えていた。
そして、矢敷しか知らないはずの携帯にかかってきた1本の匿名電話ですべてが動き始めた。

話の途中で伊月の正体はなんとなく読めたが、記憶を取り戻してからの彼の行動の潔さに痺れた。矢敷に守られていた頃の、頼り無さげな雰囲気が一掃した伊月はとてもカッコ良かった。
また、伏線の張り方と伊月の正体を知ってからの矢敷の行動とその後の展開が、ご都合主義だな〜と思うんだけど、気に入った(^^)

脇で登場する元SPの垣内の存在感がとても大きくて、彼と同僚との話や、彼と矢敷の父親だという警備部局長との昔話なんかも知りたいなあと思わせてくれる。

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暁月のテロリスト (白泉社花丸文庫 は 4-1)暁月のテロリスト (白泉社花丸文庫 は 4-1)
波奈 海月

白泉社 2008-03-19
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余談だけど「矢敷」という漢字が何度見ても「天敵」に見えてしまった(^^;

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『シグナルレッドベイビー』北上れん

待望の北上れんさんの3冊目のコミックスは梨園もの(^^)

歌舞伎の世界に生きる笙吾。
彼の出生の複雑な事情は笙吾自身には知らされず、だが子供心ながら父と自分の間に異質な空気を感じてはいた。しかし、本当のことを知るのは怖くて誰かに問いただすこともなかった。
そんな不安定だった自分をずっと支えていてくれたのは、従兄の和美だった。

今では役者として父の前に立つときだけは自分を見てもらえることがわかって、そういう関係なのだと割り切って自分の役割を果たしてきた。
和美さえいれば大丈夫、そう思っていた。

だが折悪しく怪我で舞台を辞退するはめになったところへ自分の生い立ちを知る。笙吾の体を案じた和美の「しばらく芝居から離れてみたら」という言葉にも、自分には彼が守ってくれる価値などないのだと受け取ってしまった。

以下、ネタバレ注意!

連載時は、将宏叔父さんや宗近兄さんなどといった脇のイイ男に目がくらんだりしたが、今回は和美と笙吾だけにポイントを絞ってじっくりと読み返した。
多くを望まないように自分を律してきた笙吾の健気さに加えて、幼い頃から傍にいてくれた和美の存在の大きさを思い知り、和美をあきらめたくないと涙するシーンでグッときた。
そして、ずっと笙吾だけを見守ってきた和美の一途さと、笙吾をまるごと受け止めようとする懐の深さに痺れた。

後半の、なかなか本音を晒して甘えてくれない相手に悩む将宏と、深みに嵌るのが怖くて踏み出せない宗近の話も焦れったくてよかった。

描き下しの「ある日のみなさん」は笙吾の父から見たその後の彼らの様子。
そこはかとなくギャグなバカップルたちがたまらなく面白い(^^)
シリアス顔と細かな書き込みとちびキャラたちによる緩急のバランスがとれていて、すごくいい味を醸している。

シグナルレッドベイビー (ビーボーイコミックス)シグナルレッドベイビー (ビーボーイコミックス)
北上 れん

リブレ出版 2008-04-10

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『恋する暴君 4』高永ひなこ

千載一遇のチャンスを逃し、週一回の約束も反故にされてどん底気分の森永が、自棄を起こしてどうにかなっちゃうの??と心配したけれど、ラスト近くで訪れた幸運に驚喜してて、よかった〜(^^)

今回は、電車内でのケータイマナーを守らないヤツに天誅を下した宗一が逆恨みされて、嫌がらせがどんどんエスカレートしてやがて森永の身にまで危害が及んでしまうという展開。

誰かわからないストーカー紛いの嫌がらせに心配して、泊まり込みにやってきた森永を必要以上に警戒して(前回喰われちゃったからね)、逆毛たててフーフー言ってる宗一が非常にカワイイ。
森永が大接近すると自然に体が反応しちゃうくせに、そんな自分を断固として認めようとしないところとか、警戒しつつも期待していたのに、何もされなくてちょっぴり残念そうな表情の宗一もいい。
しかし、今回は予想外の展開に激萌え!! 信じられない展開に、何度も何度も読み返した…(爆)

なんだかんだ言いながら、森永の存在が無意識のうちに大事なものにカテゴライズされていて、彼の存在が宗一の中で大きくなっているんだなと確信できて嬉しい。
優しくノックしてれば、いつかは宗一の扉の鍵が開くかも…頑張れ森永!

恋する暴君 4 (4) (GUSH COMICS)恋する暴君 4 (4) (GUSH COMICS)
高永 ひなこ

海王社 2008-04-10
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『FLESH&BLOOD 11』松岡なつき

遂にジェフリーとナイジェルが!?
帯の文字に煽られて、ワクワクして読んだ。


これまでは敵だと思っていたビセンテと行動を共にするようになって、常にカイトの身を案じ献身的に世話をしてくれる彼に情が移り、彼の行く末を思ってカイトは心を痛める。
そして自分が去った後のビセンテの無事を願う気持ちが、後の歴史に大きな影響を及ぼし、その結果イングランドがスペインとの戦いに負ける可能性もあることに気づき愕然とする。

二重スパイの目を欺いて脱出計画を練るジェフリーとナイジェルも、正々堂々とライバル宣言してこれまでのわだかまりに区切りをつけたようでひと安心。

今回も登場人物が多くて混乱しそう。キャラ表が欲しい(^^;
自分自身がこの世界の災いの種なのだと自覚したカイトだが、愛する彼らと再会してその後どう行動を起こすのか…見守っていきたい。
しかし、あんなところで終わってしまうとは!!!
続きはいつ読めるのかなぁ?

FLESH&BLOOD11 (キャラ文庫 (ま1-21)) (キャラ文庫 (ま1-21))FLESH&BLOOD11 (キャラ文庫 (ま1-21)) (キャラ文庫 (ま1-21))
松岡なつき 雪舟薫

徳間書店 2008-03-25

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『3シェイク』秀 香穂里

タイトルから想像がつく通り3Pな話。

元モデルの岡崎遼一は現在マネージャーとして才能ある者たちを売り込むことにやりがいを感じていた。
新人ながら何かと問題の多い幸村京の担当を任された遼一は、荒削りで型にはまらない彼を人気映画監督の佐野雅仁に売り込みに行く。
失礼な幸村の態度に気を悪くするでもなく、佐野は彼のために映画を書いてやってもいいと返事をくれた。
ただし、遼一が自分を楽しませることを条件にして。

幸村からも迫られ、佐野にも目を付けられた遼一の当初の断固とした態度が相手の手練手管によって次第に綻びて絆されていく。どんな行為を仕掛けられても毅然として己を保とうとするのに、体はそれを裏切って快感を求めてしまうのを必死に堪える姿にドキドキした。

秀さんが描く男は受攻ともにカッコイイ。
一方的に引きずられるのではなく、現実を自ら受け入れ与えられた役割を逆手にとることさえ考える遼一の優柔不断なしたたかさが好きだ。
若さ故に暴走しがちな幸村よりも、とことん人でなしな佐野が超素敵でクラクラした。

できればもう少し映画に関する部分のエピソードを増やして、もうちょっとボリュームがあればよかったなと思う。

3シェイク (ラヴァーズ文庫 53)3シェイク (ラヴァーズ文庫 53)
秀 香穂里 奈良 千春

竹書房 2008-03-25

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『スローリズム』杉原理生

水森は高校の頃からつきあいのある矢萩とは、お互いに一番身近に感じられる友人だと思っていた。ずっと友人関係にあった二人が新たなステップを踏み出そうとする物語。

自分はゲイだと告白したあとで「おまえだけは絶対に好きにならない」と言った矢萩の言葉を信じて、その後幾度となく呑み込まれた言葉にさえ気づくことなく、彼の言葉をそのまま受け取ってずっとそう思い続けていた水森の愛すべき鈍感さと、親友というポジションを守るために徹底して自分を抑えてきた矢萩の忍耐力がなければ、もっと違った結末になっていたかもしれない。

水森にしても、矢萩がそう言うからずっと信じてきたはずだし、一緒に過ごした時間が他の人間には取って代われない不動の地位を既に築いていた。
好きだという気持ちの上に、相手を慈しむ想いが時間をかけて降り積もっていって溢れるように流れだす瞬間がたまらなくいい。

出会って一瞬で恋に落ちるドラマチックな関係もいいけど、長い間かかってゆっくりと熟成させていく物語もいいなあと思わせてくれる。

スローリズム (幻冬舎ルチル文庫 す 2-3)スローリズム (幻冬舎ルチル文庫 す 2-3)
杉原 理生

幻冬舎コミックス 2008-03-17
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『邪道 6』沖麻実也

人間界の障気で不安定になった体内の朱光剣をなんとかしたいアシュレイと、せっかく戻ってきた彼を離したくないティアの気持ちがぶつかり合う。
武将としての誇りと愛する人と対等でありたいと思うアシュレイは健気ですごく可愛い。
この世界とアシュレイを同じ天秤にのせて秤にかけてしまうティアは、その偏愛っぷりも含めて最強(笑)だけど、その見境のなさがたまらなく素敵だ(^^)

マンガの方はこれで完結。ということであとは本編の展開を待つばかりなんだけど、辛い展開の後には必ず希望が待っていることを信じて、待ちますとも。
迫力ある戦闘シーンやいぢわる顔のティア、最後に超カワイイ桂花が見られてよかった(^^)
爽やかな柢王の笑顔に冰玉の鮮やかなブルーと帯の色を合わせたとても綺麗な表紙も好きだなあ〜

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邪道 6 君の懐・恋の雫 (あすかコミックスCL-DX)邪道 6 君の懐・恋の雫 (あすかコミックスCL-DX)
沖 麻実也 川原 つばさ

角川書店 2008-03-01

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『薄紅に仇花は燃ゆる』神奈木智

男花魁の佳雨が魅力的だった『群青に仇花の咲く』の続編。
今回も、骨董屋の若旦那 久弥の探すお宝絡みの話題はあるが探偵ごっこはない。

前作で若旦那と気持ちを通わせたはよかったが、ずぶずぶと本気の恋に嵌り、思い悩む佳雨。新造の梓の水揚げにふさわしい相手を選ぶのに、久弥をどうかと"翠雨楼"の主に言われ義理としきたりと久弥への思いを抱えて苦悩する。

久弥への思いを佳雨は胸に秘めているつもりでいるが、鍋島にはそんなことはお見通しで、もちろん佳雨を愛する久弥もわかっている。葛藤することで色を重ねて艶が増す姿を愛でたいという気持ちはわからなくもない。
が、愛する男に抱かれて艶やかに花開いてゆく佳雨を味わうのが好きだという鍋島といい、自分の力で立って己の真を貫こうとする佳雨の矜持を知りつつ、そうすることでより艶やかに咲く姿がたまらないという若旦那といい、男花魁を贔屓にする客は奇人変人が当たり前と花魁も言っているけれど、どうしようもないくらい物好き、というかスキモノ(笑)
二人が静かに火花を散らすシーンはなかなか興味深かった。

ぐだぐだと悩みながらも溢れそうな心を押しとどめて自分を叱咤し、惚れた男にさえ毅然とした態度で筋を通そうとする佳雨の凛とした姿は格好良過ぎ。
この先、佳雨がもう耐えられないと久弥に縋る日が来て欲しいような、もう少し頑張って欲しいような複雑な気持ちだ。
しかし、どんな結末になっても佳雨が顔を真っすぐ上げて微笑んでくれればそれでいいと思う。

なんとなく今回は梓の相手を登場させるために事件がお膳立てされたんじゃないかと思わなくもないけど、それもまたよし。
第三弾もあるそうなので、楽しみだ。

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薄紅に仇花は燃ゆる薄紅に仇花は燃ゆる
神奈木 智

幻冬舎 2008-03-17

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『唇で壊される』橘紅緒

昔、好きになった男からの仕打ちが心の傷になって、誰も本気で好きになれない。今でも柚槻の心は呪縛されたままだ。ところが偶然会った男、チカのやさしい雰囲気や眼差しに惹かれ、頭がブレーキをかける前に恋に落ちてしまった。

しかし、臆病な心はなかなか自分の気持ちを認めようとせず、最初の一歩がなかなか踏み出せない。それでも、彼と過ごす時間が心地よくて次第に溺れていった。
以下、ネタバレ注意!?




本気を見せて、飽きられてしまったらもう立ち直れないと言う柚槻が焦れったいが、その言葉に彼の心の傷の深さが伺える。
傷つくことの辛さを知っているから、チカがくれた居場所に甘え、このままの時間が続けばいいとさえ思っていた。
だが、チカがフリーでいる間にモノにしないと横からカッ攫われるぞと忠告された直後、彼のベッドに横たわる少女に会った。彼女の放った痛烈な言葉が、柚槻の言い訳を粉々に打ち砕いた。

チカを好きなのだと自覚したと同時に手遅れなのだと思い知らされたシーンは、どうしようもなく好き…という気持ちと心の痛みが凝縮されて涙が止まらない。
何ものにも変えられない、かけがえのない存在だと知って、高まる気持ちや切なさは、のたうち回るくらいの狂おしさを感じる。
この作者の描く、人を一途に思う気持ちがたまらなく好きだ。

自分が傷つくことばかり気にしていた柚槻が、チカもまた心に傷を負った人間だと知って、彼のために変わっていく姿はとても素敵だ。

唇で壊される。 (SHY NOVELS 195)唇で壊される。 (SHY NOVELS 195)
橘 紅緒 奈良 千春

大洋図書 2008-02-15

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『若きチェリストの憂鬱』神奈木智

幼い頃に両親を事故で亡くした宮原奏都は、11才の時からチェロを弾くことを条件に学資他一切を彼の両親の恩人だという"あしながおじさん"からの援助を受けている。
ずっと決められた約束を守ってきた奏都だが、これ以上チェロを続けたくないと自分の意思を伝えたところ、6年目にして初めて会った"あしながおじさん"三条睦巳から、チェロをやめる条件を出された。
その条件というのは「伝統ある創立記念コンサートのオーケストラメンバーに選ばれること。」

奏都は中等部からの友人の藤沢理多から、彼が受けるピアノレッスンと奏都のチェロも一緒に見てもらおうと強引に誘われ特別レッスンを受けに行くことになった。
選抜試験に受かってチェロをやめるために、奏都は第一印象は最悪の伊集院遥から厳しいレッスンを受けることになってしまった。

恩人の睦巳、毒舌の遥のどちらも奏都にモーションをかけるので、どっちが本命かな?って感じでやきもきさせられた。

奏都が初めて名器プリマドンナに触れる瞬間の緊張と心ときめくシーンもよかったが、紆余曲折の末、長い間の自分の心の枷を解いて感情を解放していくくだりがよかった。
溢れる気持ちをチェロの調べにのせて語ることのできる奏都が羨ましく思えた。

神奈木さんの描く、若い才能が羽化していくストーリーは途中辛くて痛い部分もあるが、読み終えたあとは気持ちが晴れ晴れして好きだなあ。
ラストシーンのイラストもとても素敵。

若きチェリストの憂鬱 (キャラ文庫 か 3-17)若きチェリストの憂鬱 (キャラ文庫 か 3-17)
神奈木 智/二宮 悦巳

徳間書店 2008-02-23

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『24パートナー』いおかいつき

利重義実は動、天野広基は静の役割で、彼らは主に表に出せない事件を解決する探偵だ。
お互いに相手の力を信じ、尊重してこれまでうまくやってきた。

しかし、ある事件で潜入操作に失敗し、助かる唯一の方法として利重が広基を犯して以来、二人の中に変化が起こった。抱いた側の利重の頭の中から広基のことが頭を離れない。
事件解決よりも広基への独占欲を露にする利重に、気持ちを切り替えなければコンビ解消を告げる広基はあくまでも冷静だ。

コンビを組んでから、極力相手に干渉しないようにしてきた二人が(利重のほうが)、たった一度の行為で燃え上がる説得力がちょっともの足りない気もする。
もっともっと相手への執着心を募らせていく過程が描かれていればよかったと思う。
ベージの都合で無理があるのかもしれないが、ストレートに気持ちを告げるんじゃなく、表に出せない感情を持て余して限界ぎりぎりまできて発露するぐらいの焦らしが欲しかったと思う。

また、二人の雇い主明星の扱いもちょっと中途半端な気がした。どうせなら、面白がって二人の関係に茶々を入れるくらいならよかったなあ。
「24」、"相棒"などそそる要素はあるけれど、二人の関係に萌えるには今一つかな?

24パートナー (白泉社花丸文庫 い 5-2)24パートナー (白泉社花丸文庫 い 5-2)
いおか いつき

白泉社 2008-02-19

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『愛と混乱のレストラン』高遠琉加

鷺沼理人が再興を任された「ジャルダン・デ・レーヴ」は、日本料理店 八神からスタートして、食に関して多角的な経営を行っているヤガミグループの創始者が格別の思い入れを持って開いたフレンチレストラン。
しかし、現在は赤字続きで休業中だ。

ディレクトールとして、スタッフを集めどうにか開店まで漕ぎ着けたが、理人は傲岸不遜なシェフの久我修司に振り回されっぱなしで難問山積みの状態。
更に、食に対するスタンスの違いが二人の間の溝を深くしていく。

この巻だけでは物語としてはまだまだ途中で、もちろん甘い展開もないけれど、このあとの展開に何かが待っているという気持ちにさせられる。
誰に対しても一線を引いている理人だけれど、とりわけ久我に見せる頑な態度からは緊張感がびりびり伝わってくる。久我の言葉に胸を抉られるシーンは痛々しくて目を背けたくなる。
弱い立場の者の痛みを知る久我の弟の雅紀やギャルソンの百瀬、メートルの坊宮の存在が刺々しい雰囲気を和らげてくれるのがちょっと救いかもしれない。

久我の言動は理人の纏っていた鎧を全て剥いで、彼が必死に守ってきた柔らかく傷つきやすい自分自身を曝け出してしまった。
けれども、お互いを正面から見据え、新たな関係がスタートした二人の今後の展開が楽しみだ。
「愛と混乱」の現状が、少しずつ理想の"夢の庭"へと変貌していってくれるのだろうと思っている。

愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫 た 2-11)愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫 た 2-11)
高遠 琉加 麻生 海

二見書房 2008-02-28

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『絶対服従契約』藤崎都

リーマンものにもいろいろあるけれど、この話は王道。

従兄弟であり、上司であり、姉の元婚約者という高篠将哉を密かに想い続けている榛名翠。
整った容姿のおかげで一夜の相手に不自由はしていないが、心の淋しさは埋められない。好きな人の側にいられるという理由で、彼の秘書を続けてはいるが、それも限界がきそうだった。
ある夜、酔った将哉にキスを仕掛けられてタガが外れてしまい一夜をともにしてしまう。将哉は酔うといつも前夜のことを覚えていないから。

ところが記憶をなくしているはずの相手は実はしっかり覚えていて、前夜翠が誘いをかけた「体調管理も秘書の仕事」という口実を盾に強引に迫ってきた。
さあ、どうなる!?という話だが、作者が藤崎都さんということもあって安心して読めた(^^)

主人公が細かいことにぐだぐだ悩んで、必死になっているのを知ってか知らずか(どっちでも可)相手があっさりとその壁を乗り越えて懐に飛び込んでくるという展開は結構好きだ。

二人の障害になりそうだった叔父さんについては小物であっさり一件落着したけれど、冒頭で翠の行きずりの相手として登場した彼はどうなるのだろう…。もしかして次の展開が待っていたりする?

絶対服従契約 (角川ルビー文庫 78-30)絶対服従契約 (角川ルビー文庫 78-30)
藤崎 都

角川書店 2008-03-01

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『月よ笑ってくれ 月も星もない2』久我有加

東京へ進出してきた『パイロットランプ』の二人は、仕事でもプライベートでも順風満帆だった。
しかし、お笑いブームの翳りはそこまできていた。
徐々に増える意に染まない仕事よりも漫才を優先したいという秀永と、まだ仕事を選べる器ではなく、与えられた仕事をこなして信用を築いていくべきだという温の意見は対立した。どちらも譲らず、仕事上の対立が二人の間をギクシャクさせていく。


以下、ネタバレあり。

仕事もプライベートも一緒という関係は、それが順調ならばとてもいいけれど、ひとたびその関係が崩れだすと修復不可能なまでになってしまう怖さがある。二人も互いに傷つき傷つけられ、相手の顔さえ真っすぐに見られなくなり、それぞれ別の場所に癒しを求めてしまうまでになってしまった。
だが、自分のことは棚に上げて、八つ当たりして無理矢理体を繋げてきた秀永は許しがたい。

お互いに癒してくれる相手がその時いたというのは事態をこじらせるだけかもしれないけれど、二人が同居していなかったことは救いだったかもしれない。
♪〜愛が消えてしまえば 友達にもなれない〜♪というスタレビの歌を思い出してせつなくなってしまった。
秀永以上の相方はいないから、と自分の心を二つに分けようとする温の姿に涙が溢れた。

結果的に愛は消えずに、再びその炎を燃やしはじめるわけだが、先輩の『バンデージ』の相原が、迷う温に自分が本当はどうしたいのかを気づかせ、そっと後押ししてくれる下りがとてもいい。彼らも通ってきた道なのだ。
また、温へ宛てた父からの手紙のエピソードも泣かせてくれる。

月よ笑ってくれ―月も星もない2 (新書館ディアプラス文庫 180)月よ笑ってくれ―月も星もない2 (新書館ディアプラス文庫 180)
久我 有加

新書館 2008-02-09

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前作の感想はこちら→『月も星もない

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『フェイク・ダイヤ』久能千明

久能さんの待望の新刊は新作。作中で語られるタイトルの意味がとても深くて素敵だ。

若さと顔だけが取り柄の俳優"鮎川真琴"は仕事はそこそここなしているが、自分の殻を破れたらと考えていた。けれど、どうすればいいのかわからず漠然とした不安を抱えていた。
そんな彼にマネージャーが映画出演の話を持ってきた。日本を代用する映画監督"羽佐間耕平"の新作映画だ。
迷ったがこれは自分を変えるチャンスだと説得されて真琴はオーディションを受ける決意をした。

以下ネタバレ注意!



迷いを抱えながらオーディションを受けに来た真琴だったが、会場の外で出会ったいけ好かない男にそれは自分向きの役ではないと辛辣な言葉で言われ猛然と反発心を覚えた。しかし結果的に男が言ったとおり、オーディションを受けたのとは別の役、主人公の親友という準主役級の役に監督の強い要望で抜擢されることになった。

最初は監督=この嫌なヤツ(郁馬)かと思っていたが、そんな展開ではなく、郁馬は監督の内弟子。
経験の少ない真琴に、この映画の時代背景や着物の所作、立ち居振る舞いを身につけさせるために郁馬が付き人を務めることになったのだが、着付けを教えるだけのシーンさえ何気にえろくて、二人がどう関わっていくのかワクワクした。

これまでの真琴は与えられた役どころをきっちり掴んで、相手が望むとおりに演技してきた。
撮影が始まって早々に、退廃的な色気をを出せと監督に罵倒されるが、理論的に考えて計算された演技をしてきた真琴にはどうにもわからない。
色気や翳りを出すために「抱かれて汚れてこい」と言う方も相当だが、それを真剣に考える真琴もなかなかのものだ。このあたりで真琴が理系人間だという設定が必然になっていると思う。
結局、考えてもわからないなら体に直接教えて欲しいと、郁馬に頼み込むのだけど、色気を出すために実際に抱かれるなんて、あり得ない(^^;と思いながらも話にのめり込んでいった。

このとき既に郁馬は真琴に惹かれていたんだと思う。(多分カメラテストの時に惚れた)
そんな相手に「映画のために」抱いてほしいと頼むなんて、真琴も罪な男だ。郁馬の気持ちの揺れの描写はないけれど、相当凹んだんじゃないかと思う。
郁馬が冷ややかな言葉しか投げないのは、自分が溺れてしまったらダメだと言うブレーキをかけるためと、自分のことを好きだと自覚させてしまうと、演技できなくなるんじゃないかと考えていたのかも。
もちろん、真琴の凄みのある演技をスクリーンで見たいと言う映画人としての気持ちもあったはずだ。

結果として持っていきようのない情念を作品に昇華させることができてよかったわけだが、郁馬って若いのに相当な自制心を持った男だと思う。
志水さんのイラストもとても素敵だ(^^)

フェイク・ダイヤフェイク・ダイヤ
久能 千明

角川書店 2008-02

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次の新刊は上下巻で出るという噂の「青の軌跡」シリーズを、是非!

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『つまさきにくちづけを』橘紅緒

何とも歯がゆい二人だった。

かつてはスターダンサーとしてステージに立っていた"リツ"が、その才能に惚れ込んカンパニーのトップダンサー"バード"。踊れない自分にかわって自分の半身として舞台に立つ彼への嫉妬、プライド、執着と愛情を注ぐリツの視線をバードは素知らぬ顔で受け流す。
リツとの接触を避けているようなその態度にも関わらず、彼に惹かれて止まないリツの熱い胸の内が切ない。
お互いの気持ちを確かめあわないままで体だけ繋げてしまった二人が、相手の気持ちを探りあうがどうにも噛み合ない。
リツの気持ちはわかっても、バードの行動が読めなくてどう決着するのか最後までわからなかった。

帰らないリツを雨の中じっと待つバード。ダンサーとしての体を案じるリツ。互いを思う気持ちが溢れ一つになっても、先に思いを口にした方が負けだというかのように言葉にはしない。
そんなに言葉を呑み込まなくてもいいのに。
過去がリツを臆病にするのかもしれないけれど、焦れったい。
感情をなかなか表に出さないバードにしても、最後まで読み終えれば彼の気持ちも何となく推察できるが、最初は全然。というか、すごくわかりにくい。(実はとても、可愛い正確だったことが判明)

誤解と焦りと嫉妬が入り交じった思いが、交錯しながらなだれ込むラストはとてもドラマティックだ。
文体がそうさせるのか、世界を絞って雑音を排してあるからなのかわからないが、この作者の描く全体を包む静謐感がとても好きだ。
短時間でもいいから二人が一緒にエクササイズしているところが見たかったなあ。
あ、でも動きのあるダンスシーンを漫画で見てみたいとも思った。

つまさきにくちづけを (SHY NOVELS 187)つまさきにくちづけを (SHY NOVELS 187)
橘 紅緒 佐々木 久美子

大洋図書 2008-01-30

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『小説家は我が儘につき』秀香穂里

秀さんが描く、自分の仕事に誇りと気概をもって働く男はとても魅力的だ。
今回の舞台はホテル。
若きコンシェルジェと今をときめく小説家の恋物語だが、二人の関係はもっとずっと前から始まっていた。

篝の働くホテルに急遽VIPが滞在することになった。しかもずっとファンだった小説家守谷雅晴が。
しかし憧れの人物を賓客としてもてなすというワクワクした気持ちは、彼を見たとたんに困惑へと変わった。どうして…なぜ!?
彼は兄の友人として篝の家に出入りしていた、いつも自分をからかって来た男古谷だった。
過去の彼と今の姿が篝の頭の中でどうしても結びつかず、とまどいを抱えたまま職務についたが、初っ端から難癖を付けて振り回されてしまう。
だが相手は大切なお客様だ。無理難題を言われても、ひたすら耐える辛い日々が始まった。
嫌がらせ?はエスカレートし、守谷はストレス解消と称して自分の体に触れてきたのだった。

幼い頃、自分を執拗にかまっていた古谷という男と憧れの小説家との実像が重ならないまま惹かれていく自分に、篝が悩むところをもうちょっと掘り下げていたらよかったかなと思う。
負けず嫌いの篝が、古谷の嫌がらせのような難題をクリアしていくことによって、コンシェルジェとしての仕事を見つめ直し、ステップアップしていく展開はとても素敵だ。
古谷が御曹司で売れっ子小説家だという設定にちょっと出来過ぎ感も感じたが、何故小説を書くのかを語るシーンに、彼の心の底にある淋しさが顔をのぞかせた。

普段は自信たっぷりの男が本音をちらりと漏らすようなセリフに色気を感じさせる処はさすが秀さん。
絡みのない、静かなちょっとしたシーンのやりとりがスゴく生きている。
どれだけ苛めても負けるものかと食い下がってくる篝を愛しく思う古谷の気持ちはなんだかわかる気がする(笑)

小説家は我が儘につき (角川ルビー文庫 118-1)小説家は我が儘につき (角川ルビー文庫 118-1)
秀 香穂里

角川書店 2008-02-01

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『白銀の麗人』剛しいら

いよいよ北青王国のマザーコンピュータ「イブ」と最終決戦だ。
南紅王国の人形ロボットをヒントに、ダミーロボットや戦闘用ロボットを作ったり「イブ」の暴走が次第に激しくなっていく。彼女を止めることのできる、唯一の存在である創造主アーサーの遺伝子を持ったクローンと共に、天人、シオン等は北青王国へと乗り込んでいく。

コンピュータに支配される北青王国の不自然さもさることながら、申し分のない生活補助ロボットに育てられる南紅王国が内包するゆがみまで語られていて、BLにとどめてしまうには本当に惜しい内容だ。
SFと言い切るにはちょっと、設定が弱かったり展開が甘かったりするが、テーマとしては立派にSFしていると思う。(作者的にはファンタジーらしいが)
惜しみない愛情をロボットに注がれて育った子供たちが、与えられる愛情に慣れてしまって、自分が与える喜びを味わえないという不安。
また、生身の人間同士でうまく関係を築けず、ロボットとの心地いい関係を続けていくことを選んだとき、彼らは滅びの道を歩み始める。という深い論理展開にはちょっと感動してしまった。
ただ、命の一部を貰うとか命を与える、自分の中に納めるといった表現はちょっとこそばゆい(^^;

黒、紅、白の三部作でとりあえずおしまいだが、仁とアンディのその後や、素っ裸になって噴水の中の馬の彫像に股がって即位宣言しちゃう豪快なシオンの兄レナードの話も、ちょっと読みたいなと思う。

白銀の麗人 (もえぎ文庫)白銀の麗人 (もえぎ文庫)
剛 しいら

学習研究社 2008-01

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前作「紅の大王」の感想はこちら

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『タッチ・ミー・アゲイン』ヤマシタトモコ

何度も読み返したくなる短編集だ。その上、たくさん収録されていてお得感もバッチリ(^^)
出てくる人々は、不機嫌だったり、乱暴だったり、情けなかったり、ヘタレてたりするけど、可愛くて、いじらしくて、切ない気持ちをいっぱい抱えている。

カッコつけたり、斜に構えたり、ちょっと引いてみたりするうちに相手を好きな気持ちが目一杯膨らんでどうにもならなくなる。心が溢れ出ると同時に自分の弱さも狡さも曝け出す、その瞬間のセリフがとても印象的で、好きだ。

自分的お気に入りカップルは英介×檸檬(^^)

タッチ・ミー・アゲイン (ビーボーイコミックス)タッチ・ミー・アゲイン (ビーボーイコミックス)
ヤマシタ トモコ

リブレ出版 2008-01-10

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『天使ノ飼育』小塚佳哉

新書では読んだはずだが、こんな話だったかな?
調教もののようで、実は純愛かもしれない不思議な話。

父親に捨てられ、もう生きていけないと思った有理(ユーリ)を拾ってくれたのは黒髪の美しい謎の男。「なんでもするからオレを愛して」と言うユーリの願いを聞き届けた彼と始まった新しい生活。
それは全裸で鎖に繋がれ、甘く苦しい調教に耐える想像を絶する日々だった。

特殊な生活にも慣れ、男との生活にささやかな喜びを見いだすようになった頃、自分を捨てた父親に連絡を取るチャンスがあった。
しかし、それはユーリを絶望させる結果にしかならず、彼は生きる意味を失い衰弱していった。
日に日に弱ってゆくユーリに語りかける男の切なる言葉に救われ、彼は自分の生きる新たな道があることを知る。
そしてようやくユーリの心は自分を拾ってくれた男・純へと向けられる。

純の為に再び生きようとし、身も心も満たされ育っていくユーリだが、ある日偶然、純の過去を知ってしまう。
これまで純が自分のためにしてくれた様々な言葉や言動にこめられた思いが、このとき初めてユーリの中で深い意味を持ったものとなった。
ユーリと過ごした日々に隠された純の心に思いを馳せる彼のやさしさが好きだ。
純の秘密を知ってもなお、彼に全幅の信頼を寄せるユーリの潔さに救われた思いがした。

現実世界ではきっとありえない結末はファンタジーだなと思うけれど、様々な愛の形と魂の救済が描かれ、BLの根本はやっぱり愛だなと思わせてくれる。
蓮川愛さんの美麗なイラストも素敵だ。

天使ノ飼育 (プラチナ文庫)天使ノ飼育 (プラチナ文庫)
小塚 佳哉

プランタン出版 2008-01-10

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『溺れる戀』高遠琉加

時は大正末期。
富豪の三男として生まれ、誂え与えられたとおりに周囲が望むように人生を歩んできた成實祥彦。
上の兄二人が家業を継ぎ、自分の確固たる役割がないままだったが、初めて与えられた重要な役目を懸命に果たそうとしている最中、元同級生の伊藤龍次と4年ぶりに再会する。
彼とは気持ちを確かめることもなくたった一度、それも半ば強引に関係してしまった、祥彦にとって忘れられない男だった。

以下、ネタバレ注意!

自分の世界の狭さも知らず、家のことと学業以外は知る必要のない祥彦にとって、伊藤龍次は自由と変革の象徴だった。彼を目で追う祥彦の視線に、時折鋭い視線を返してくる一匹狼の男は少しずつ祥彦の心を捕らえていった。
自覚しないまま目を背けて封印した恋心が、偶然の再会によって息を吹き返し深みに嵌っていく。
過去をネタに強請られても、再会した事実のほうに衝撃を受けてしまって、ちっとも切羽詰まった感じじゃないのは世間知らずのボウヤだからだろうか(^^;
たちの悪い男にハマってしまったお坊ちゃんと言ってしまえば、身も蓋もない。
自分に課せられた重要な使命と伊藤への気持ちを天秤にかけて、どちらを選んだのかはほぼ想像どおり。だけど、そうでなくちゃ面白くない(笑)
いくつかの驚くべき体験を経て、祥彦が自分の意思で選び人生を切り開いていくラストは結構清々しい。けど、あのまま新天地目指してもよかったのでは?と思わなくもない。

自分としては、伊藤に関してもう少し突っ込んだ描写があればよかったかなと思う。腹黒そうな伊藤が4年の間、何をやって人生経験値を積んだのかちょっと気になる(笑)

溺れる戀 (SHY NOVELS 200)溺れる戀 (SHY NOVELS 200)
高遠 琉加 今 市子

大洋図書 2007-12-26

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【TB企画】持ち越しちまった2008

年末は雑務に追われ、年始はHDDに溜まっていたビデオの消化に費やし、ドラマCDを聴いて原作を読み返していたら本を読む時間があまり取れなかった。案の定、持ち越したくなかった本は持ち越しとなった(^^;

それでも2冊は読み終えて、残ったのは2冊。のはずだったが、年末片付けているとシュリンクされたままの「からくり仕掛けの蝶々」を発見して持ち越しちまった本は計3冊。

  

更に3年越しとなってしまった邪道(比翼連理)の上巻もある。
BL以外の未読本も結構あるので、ちょっと読書モードに頭を切り替えなきゃね(^^;

BL×B.L.TB企画参加
TBがちゃんと"BL×B.L"にとんでくれるかな…

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ドラマCD『ひめやかな殉情』

年末に届いてじっくり聴いている時間もなかったので、寝物語に聴いていたらところどころ記憶がない(^^;
ようやくじっくり聴くに至ったが、前作同様に濃い。

今回は臣(神谷浩史さん)が進行役(モノローグ)。
親代わりであり、上司でもある堺の言葉、昇任試験とその後に待つ不安に悩む臣の心情が、言葉だけでなく声のトーンや息づかいから伝わってくる。
仕事している時の声、相手を恫喝する声が一転して慈英に甘える声になり、艶っぽい喘ぎ声に変わっていく様子は悶絶もの。
慈英(三木眞一郎さん)のほうも、臣にかけるときの愛情ダダ漏れの声、静かな怒りを秘めた声、相手の心を抉る氷のように冷たい声など、こちらもスゴい。セリフを話す時のほんのちょっとの間の取り方が、心の微妙な変化を感じさせて鳥肌が立つくらいだ。
加えて、今回ゲスト?の関俊彦さんの怪演が光る。
慈英の大学時代の友人・三島が次第に壊れていく不気味さと哀れさを関さんが声に狂気を少しずつ忍ばせて演じているのは流石だ。

ともかく、2枚組で聴き応えたっぷり。どこを聴いても職人芸とも言える素晴らしい演技が堪能できる。

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『それは言わない約束だろう』久我有加

2007年の読み納めは、久我さんの「芸人もの」シリーズの新刊。

大学生になった宮地公彰のお気に入りの食堂『いせや』。そこで働いている竜一という男は、やたらと公彰をからかったり自分の作った料理を食べさせようとかまってくる。が、何故か嫌な気はしなかった。
あるとき偶然彼が芸人目指して熱心に稽古している姿を見てしまう…

将来の夢や夢中になるものを持てないことがコンプレックスの公彰と、自分の夢に見切りをつけるかどうかで悩む三十男の恋模様だ。

以下、ネタバレ注意

自分の夢をどうしても叶えたくて大学を中退してまで選んだ道。しかし実力第一の世界で、なかなかモノにならず、現実と夢の間で悩み焦り、もがき続ける竜一。
そんな彼の心を癒してくれるのが公彰の笑顔だった。
大学生と30近くの男という年の差とこれまでの経験値で、相手の揺れる気持ちは手に取るようにわかる。夢中になれるものがないと悩む公彰をうまく言いくるめるところは流石だ。
だが恋愛に関しては余裕のはずが、相手の可愛さゆえにめろめろになってしまうのがおかしい。

今回の話はサクセスストーリーじゃなかったけれど笑顔の裏で辛い現実を受け入れ、新たな道を目指す男というのもカッコいいかもしれない。

それは言わない約束だろう (新書館ディアプラス文庫 179)それは言わない約束だろう (新書館ディアプラス文庫 179)
久我 有加

新書館 2008-01-10

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【TB企画】「行く年来る年2007-2008」BL×B.L.TB企画参加

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【TB企画】持ち越さない2007

BL×B.L.TB企画参加

昨年は4冊だった。
今年も現時点で4冊。しかし昨年末からの持ち越しがあったりする(^^;
それが「邪道(比翼連理 上)

邪道(比翼連理 中)」が出た時にやはり一気読みしたいと思って「邪道(比翼連理 下)」が出るのをひたすら待っていたらもう年末。
この3冊に新刊の「愛してると言う気はない」と「溺れる戀」の2冊が現時点での未読だ。
「邪道」は読み出せば止まらないと思うのだけれど、届いたドラマCDも聴きたいし、辛い展開が待っていると思われるので無意識に後回しにしてしまいそうなところが微妙。

ともかく、年内滑り込みでもいいので、がんばりま〜す(^^)/

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『奇蹟のラブストーリー』榊花月

大手出版社に勤務する三日月春は、漫画の編集部から念願の文芸出版局へ移動となり、ずっと思い続けていた作家"神奈初彦"との対面を果たした。
知らず知らずのうちに自分が理想化した想像上の姿は、目の前に立ちはだかる現実に次々と塗り替えられ変貌を遂げてゆくが、謎に包まれた小説家の実態を知らずにいたら幸せだったかも…という後ろ向きな話ではない。

けれども言葉を交わし,少しずつ距離は近づいたかの様に見えても,心はなかなか通わない。
春が現実と理想を同時に受け入れ、目の前の神奈初彦をあるがままに受け止めることができたとき初めて二人の心は通いあう。
いろいろな事情を抱え、幾重にもヴェールで覆い隠された神奈の心の扉がゆっくりと開いてゆく過程が、丹念に描かれているのはすごくいい。しかし、そのあと何故か一気に体まで繋げてしまうのはちょっと残念だ。
時間をかけて培った関係だからこそ、もっと気持ちが熟するまで大切にして欲しかったと思う。
せめて、後日譚として本編とは分けてくれればよかったかも。

奇蹟のラブストーリー (新書館ディアプラス文庫 176)奇蹟のラブストーリー (新書館ディアプラス文庫 176)
榊 花月

新書館 2007-12-10

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『個人教授』秀香穂里

淫靡な響きのタイトルに負けない、凄まじいまでの妄執を見せられた。

塾講師の永江俊一は同級生の葛原祐介から、彼の弟の家庭教師をするように言われてしまった。
祐介にはかつて強引に体の関係を続けさせられていたが、現在はそんなことも忘れてしまったかの様に普通に、しかし高飛車な態度で接してくるのだった。
渋々家庭教師を引き受け、7年ぶりに祐介の弟育美に再会し大人へと変貌を遂げた彼を見た俊一の胸の内には、二人の情事を覗いていた小さな姿が思い出されるのだった。
再会当初は反抗的な態度だった育美は、少しずつ心を開いてくれたかに見えた。しかし、育美は兄同様、俊一を捩じ伏せて無理矢理抱こうとするのだった。

いろいろと、こんなことあり得ない(^^; と思いながらも、グイグイ惹き込まれてしまった。
オトナの価値観で歪められ、愛に飢えて育った子供たちが必死に何かにすがろうとしているように見えて胸が痛かった。もし、食べることもできない状況ならば指向は違っていただろうに、彼らにとって不幸だったのは、物質的には恵まれていたという点かもしれない。
傷を舐めあうように抱き合う俊一と育美の二人が、お互いにのめり込みながら幸せを感じていく姿が哀しい。

やがて、全てが明るみになって社会的に抹殺されかねない状況に陥ってしまうが、俊一も育美も二人だけで生きていけると思っている点は甘いとしか言いようがない。しかし本当の挫折を味わっても、二人が一緒に生きていけるのかどうかちょっと知りたい気もする。
そして、終わりの日がきて、また新たに始まりの日をむかえる…

いっそ気持ちいいくらいに歪んだ愛に悲壮感はあまり感じられない。
まさか土壇場でこんな結末が待っているなんて思いもしなかった。
ヤラレた!という感じ。秀さんには心から拍手を送りたい。

個人教授 (ガッシュ文庫)個人教授 (ガッシュ文庫)
秀 香穂里

海王社 2007-11

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『檻 -おり-』烏城あきら

畝川稔は病弱な母と二人で、父が遺した会社を人に譲り手元に残った資産で生活している。
あるとき、夫の遺した会社を果敢に切り盛りし、息子とともに生きる義理姉が同居の話を持ちかけてきた。母の病気への不安を1人で抱えていた稔にとって、心の負担が減るばかりでなく密かに心を寄せる年の離れた従兄の牧村宗司と暮らせるとあって心惹かれる話だった。
やがて二人は叔母の家でもあり母の実家でもある屋敷へ引っ越して4人の同居生活が始まった。

広大な屋敷の庭には趣のある茶室があり、何故か稔の心を惹きつけた。過去に何かがあったらしく立ち入り禁止になっていたが、その理由については誰も語ってはくれなかった。
叔母の会社を手伝い、宗司との生活に心をときめかせて新しい生活に少しずつ馴染んでいくなか、彼との距離が近くなるにつれて湧き上がってくる背徳的な感情を必死で押しとどめていた。
普段の稔の描写と、後ろめたい気持ちを塑像にこめる彼の姿のギャップに驚かされたが、彼ばかりでなく登場人物みんなそれぞれが秘密を抱えている。

含みのある叔母の態度より、従兄の思わせぶりな言葉がとても気になったが、よくありがちな展開にはならず微妙な距離感を保ったままの二人の中がどんなふうに進展していくのか見当がつかなかった。
封印された過去は、稔を除く3人のそれぞれの心に深い傷となっていて、彼らが稔の向こうに誰かを重ねているのはわかるが、それが誰で何が起こったのか真相がなかなか明らかにならいまま稔が禁断の茶室にのめり込んでいく危うさにハラハラさせられた。


待っていた結末は幸ととるか不幸だととるか…
自分的にはそれぞれが自分の欲望に忠実に行動した結果としては妥当かなと思う。
好き嫌いは分かれるところだが、ある意味これが究極の愛の姿なのかもしれない。
業の深いキャラばかりなので、ドロドロした関係が苦手な人にはちょっとキツイかも。

檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)
烏城 あきら 今 市子

徳間書店 2007-11-27

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『チョコレートのように』ひちわゆか

金ひかるさんの絵に誘われて手にしたのだが、ちょっぴりビター風味ながらとても甘い話だった。

静京一は友人だと思っていた同僚の永瀬に、大切にあたためていた企画を盗まれ、大型プロジェクト参加への道が閉ざされてしまった。
ヤケ酒をあおり、橋の上から川面を見下ろしていた京一を自殺志願者だと勘違いした得体の知れない男から、そいつに復讐してやろうと唆され、その場の勢いで話に乗ってしまう。
しかし、翌日冷静になり断わろうと約束の場所を訪れた静は、上質のスーツに身を包んだ昨日とは別人のような男と再会する。男は梶本と名乗り、強引に京一を車に乗せて走り出した。




梶本の「復讐」という名の計画の綿密さはすごい。
けれど、裏切った相手を自分に惚れさせて捨てるという案はどうかと思う(^^;
だが、それに惜しげもなく金をつぎ込んで、身なりを気にかけないダサダサな京一を大変身させていく辺りは、マイ・フェア・レディのヒギンズ教授とイライザのようで、読んでいて小気味よかった(笑)
初心な静に甘い毒を仕込んで、最後は復讐どころじゃなくなるんじゃないかと思ったけれど、案の定お決まりのコースに話は進んでいった。
しかし、そこへ行き着くまでのプロセスが梶本の態度でほのぼのしたり、ハラハラしたり胸がギュンとなったりして惹き込まれるように読んだ。
いつまでも、自分の気持ちに目を背ける京一にちょっとイライラさせられたけど、ちゃんと最後はハッピーエンドになってホッとした。
画像は楽天ブックスへのリンク

チョコレートのように (幻冬舎ルチル文庫 (ひ1-5))チョコレートのように (幻冬舎ルチル文庫 (ひ1-5))
ひちわ ゆか

幻冬舎コミックス 2007-11
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『上海夜想曲』真瀬もと

秋里凛は両親を亡くし、子のない叔父夫婦の元で平和に暮らしていた。しかし彼らの間に実子が誕生してからは、日に日に邪険になる叔母の態度に傷つき、見かねた叔父のすすめで離れて暮らすようになった。だが凛の傷ついた心は簡単には癒えなかった。
そんな時に出会ったエディは日本文化を学びたいとやってきた英国人貴族で、やがては伯爵家を継ぐ身だった。
明るく優しいエディと親しくなるにつれて、凛の心も少しずつ晴れていった。
ところが屈託なさそうなエディにも辛い過去があり、凛はその余波をまともに食らってしまう。

以下、ネタバレ注意!




凛と出逢って彼への愛を自覚したエディは爵位を継がないと兄に伝えるため凛とともに上海へ渡った。そこで何者かに攫われ、男娼として生きる運命が凛を襲った。
凛はどんなに辛い目にあってもエディへの気持ちを心の支えに、彼の幸福を信じ願って、いつか再会できる日を待ち続けていた。

兄弟間の確執に巻き込まれ悲惨な目にあってしまった凛だが、恨み言も言わず、ひたすらエディの身を案じ続ける健気さに涙が溢れた。
それでも過酷な運命は体ばかりでなく少しずつ凛の精神を蝕んでいった。
信じていたものが足下から崩れ、絶望が彼を押し包み、精神の均衡を著しく崩してしまった凛を支えたのは、恋焦がれるエディではなく彼の異母兄シドだった。

すべてを受け入れてくれたエディの元へ戻るのか、自分を陥れ運命を狂わせた張本人だが、本当に辛い時に側にいてくれたシドの元に留まるのか、それとも自ら命を絶ってしまうのか…
本当にどれもありそうで凛がどの人生を選ぶのかがギリギリまでわからず、とてもハラハラさせられた。

運命に弄ばれるだけで一見非力に見える凛の本当の強さが、竜胆が好きだと言ったエディを忘れまいとその身にリンドウを彫る決意をしたとき、そして自分がどんな苦境にあっても人の心の傷に敏感に気づき相手を思いやる姿に現れている。

後日譚を読んで、裕福ではないが幸せそうな二人にホッとした。

上海夜想曲 (新書館ディアプラス文庫 172)上海夜想曲 (新書館ディアプラス文庫 172)
真瀬 もと

新書館 2007-11

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『ダブル・トラップ Love&Trust EX.』榎田尤利

Love&Trustシリーズのメインカップル(多分)の人気を凌ぐ二人の出会い篇。

表題作の『Double Trap』
初対面からガンガン口説いてくる沓澤の誘いを楽しそうに聞き流して、その気があるような素振りも垣間見せながら、後一歩のところで身を翻してしまう核がたまらなくカッコイイ。
反対に、核を見くびった沓澤の言動は、この野郎なめんなよっ!という感じだ。

最初のうちは必ず落とせるという自信たっぷりに行動していて非常に鼻持ちならない感じがする沓澤だけれど、一向に靡かない核に次第に囚われて気がついたらどっぷりハマって抜け出せなくなっていく過程がとてもいい。
沓澤の予想は裏切っても、期待は裏切らず、自分を魅せつけてくれる核の誘い受けっぷりは最高。
何ものにも媚びることなく、自然体のまま相手を虜にする核の魅力全開だ。


同時収録の『The Day Off -杣氏の休日-』では沓澤の側近、杣の人間らしい部分を魅せてくれて楽しかった。
彼の選んだカジュアルな姿はいったいどんなんだろう。デパートでの買い物風景も見てみたかった(笑)

『完璧なる休暇』は本編終了後の後日譚。
核の中で沓澤への気持ちが膨らんでいって、限界を超えた瞬間を見せてくれた。
決壊した気持ちが迸るように沓澤を求める、普段とは違ったその余裕の無さがとても可愛いと思った。

石原理さんの絵もすごく素敵だった(^^)

ダブル・トラップ Love&Trust EX. (SHY NOVELS 197)ダブル・トラップ Love&Trust EX. (SHY NOVELS 197)
榎田 尤利 石原 理

大洋図書 2007-11-09

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『捕獲者 -ロッセリーニ家の息子-』岩本薫

とびきり印象的な出会いのシーンはそのまま頭の中に映像が浮かびそうだ。 

偶然出会った二人が、なし崩しに一夜を共にするが、運命の悪戯でそのまま離ればなれになってしまう。
そして10年のときを経て劇的な再会を果たす。
今回はマフィアも殺し屋も表立って登場せず、ちょっと無茶だと思えるような設定も少なく、限りなくフツーの恋愛小説の王道に近い。
舞台がホテルということもあって、自分的にはとても面白かった。

財政的には決して楽とはいえないが、歴史ある「カーサホテル東京」を細心の注意を払ってもり立てようと奮闘するホテルマン成宮礼人。
そこへ登場するのが新たなオーナーと成ったロッセリーニ一・グループのエドゥアール・ロッセリーニだ。
就任早々に打ち出した、強引で合理的なやり方を前面した再建案に礼人は不安と反発を抱いたが、彼の姿勢と気持ちに心を動かされ次第に歩み寄っていく過程がいい。
加えてエドゥアールの心の片隅にはちゃんと先代オーナー(で、礼人の恩人)の精神が引き継がれていると知らされるシーンもいい。
10年前の行きずりの関係を互いに覚えていない素振りを見せながら、実は…という展開がベタだけどとても好き。
なんだかんだと理由をつけてはいるが、礼人はずっと彼に恋をしていたのだ。その健気な一途さがかわいい。

"血筋のよさを表すような一点のくすみもないクリーム色の肌。プラチナブロンドが一筋かかる知性的な額。すっきりと端正な眉。その下の、宝石のごとく冷たい輝きを放つアイスブルーの瞳。気高く、貴族的な鼻梁。艶めいていながら気品の漂う口許。"という描写にピタッと当てはまるような蓮川さんの絵が今回も素敵(^^)

捕獲者―ロッセリーニ家の息子捕獲者―ロッセリーニ家の息子
岩本 薫

角川書店 2007-11

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前作の感想→『守護者

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『羊たちの番人 2』石原理

石原さんの描く男性は受け攻めの双方がとても魅力的だ(^^)

父の遺した教会を継いだものの、迷える子羊を救うどころか別の迷い道に誘い込む牧師の矢内。しかし、若い頃に犯した罪と今は亡き父への複雑な思いを抱える、彼自身もまた迷える子羊だ。
それを導くのは長老会から派遣された牧師、経験さと天使のごとき清廉さを兼ね備えた湯名だった。

湯名をオトそうとあの手この手で挑む矢内だが、湯名の反応は迷える子羊を正しい道に導こうとする態度でしかない。二人の温度差がとても面白い。クールな表情しか見せない湯名だが、矢内の過去話に絆され身の危険を感じる羽目に陥ったりするのもいい。
カラス退治のコスチュームを着ても絵になるし(笑)

禁欲の衣を纏いながら、神以外の男に心を奪われ、彼の前にひざを屈する湯名の壮絶な色気にゾクゾクした。
描き下しの『蜜日』は、絵で魅せてくれる二人の濃厚な大人の色気がとても素敵だ。

個人的希望を言うなら「ユナとヤナイの説教CD」をぜひ実現させて欲しい!
もちろんドラマCD化してオマケとしてつけるのでも可。

羊たちの番人 2 (2) (Dariaコミックス)羊たちの番人 2 (2) (Dariaコミックス)
石原 理

フロンティアワークス 2007-10-22

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『いとしさを追いかける』杉原理生

ラストのおだやかな余韻にいつまでも浸っていたい気持ちになった。

自分を好きだと言ってくれた相手を手ひどく傷つけておきながら、その彼を追ってきた杜国と、最悪の裏切られかたをされて憎いはずなのに、自分を頼ってきた杜国に以前と同じように接する掛井。

掛井のあとを追いかけてきたくせに自分の本心には気づかず、一人悩むだけで素直な気持ちを伝えようとしない杜国と、好きな男の前で無様な姿を見せたくないがために物わかりのいい先輩を演じ続けようとする掛井が、お互いに「なぜ?」と問わず、核心部分に触れぬまま以前のような先輩後輩の時間を過ごす二人にやきもきした。

二人だけなら煮詰まってしまいそうな話だけど、間に入った村井という共通の友人のおかげでなんとか収まるべきところにおさまった感じがする。

家の事情で子供の頃から独りで過ごしていてもテレビの音があれば自分が独りだということを忘れられるという杜国にやるせなさを感じた。そんな彼がテレビは自分の気持ちを受け止めてくれないということに気づいたシーンで涙腺をかなり刺激されてしまった。


表題作の『いとしさを追いかける』は、お互いの気持ちを確かめあった後の二人の話。
掛井がやさしすぎるから、本当は幸せなはずなのに杜国の心を占める不安。
過去に自分がした仕打ちが負い目となり、いつか愛想を尽かされてしまうかもしれないと思う気持ちが、掛井の言葉を信じられなくしている。
自分を卑下する気持ちが強ければ強いほど、相手のやさしさは諸刃の剣となって自分を追いつめてしまう。
相手が自分の気持ちを尊重しすぎると、裏があるんじゃないかと勘ぐりたくなる杜国や、なんでも相手の言うとおりにしたいという掛井の独りよがりの愛情がすれ違っていく様子がすごく上手くて、ひじょーに焦れったかった。
できれば掛井が本当は何を考えていたのかを彼の言葉で語って欲しかったなあ。

それにしても、未成年なのに飲み過ぎだよ…みんな。

いとしさを追いかける (幻冬舎ルチル文庫 す 2-1)いとしさを追いかける (幻冬舎ルチル文庫 す 2-1)
杉原 理生

幻冬舎コミックス 2007-03

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ドラマCD『しなやかな熱情』

原作もとても好きなこの作品。
2枚組で「え!?」と思ったが、実際聴いてみてそのボリュームにも驚いた。まるで原作にあるセリフが全部入っているんじゃないかと思うくらいだ。
主役二人の演技はもちろん素晴らしく、細部の効果音まできちっと作られていて、とても聴き応えのある作品だ。

実はPCでオープンに聴いていたのだが1枚目は難なくクリア(笑)
しかし2枚目に突入したあと、慈英と臣のあまりにも艶っぽい喘ぎ声に思わずボリュームを抑えてしまった(^^; 
とてもとても強烈で扇情的なHシーンは、家族が寝静まっていてもオープンに聴くのは超危険だと判断するも、慈英のモノローグは小さくすると聴こえないし、大きくするとアノ時に危険ということで、ボリューム調整をしつつどうにか最後まで聴き終えた。
けれど、車もヤバそうだしこれはポータブルで3Dサウンドで聴くしかあるまい。
そして聴いている時の自分の顔は絶対に他人に見られたくない!!(もちろん家族もダメだ)と思った。
ヘッドホンやイヤホンは苦手なんだけど、PSPにでも落として今度は原作片手に聴いてみよう(^^)

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『ホネヌキにされたい』北上れん

北上れんさんの2冊目のコミックス(^^)
サラリーマンとモデルもやってる大学生のカップルの、ほのぼのウキウキいちゃいちゃっぷりを描いた表題作「ホネヌキにされたい」を含んだ5編(4コマ含む)の作品集でデビュー作の「リフレインスマイル」も収録されている。

最初は煩いくらいだと思っていた相手の声や体温にいつの間にか馴染んで、いつの間にかその温かさに慣れて側にいるのがあたりまえになり、やがて側に居ないことが淋しく感じるようになっていく。
少しずつ変わっていった自分の気持ちにある日突然気づき、そんな自分を素直に受け入れて自分を変えてくれた男を愛しく感じる。心がほわっとあたたかくなる素敵な話だ(^^)
表紙の寄り添う二人の可愛さと口絵のカップル(医者×医者)の胡散臭げなギャップもいいなあ〜

攻めの大学生が年下ワンコ系(大型だがとてもカワイイ)なので、"ホネヌキ=おあずけ"!?ってことかな?と勘ぐってみたが、それだとM度が増して違う話になっちゃうので自主規制(^^;

ホネヌキにされたい (ビーボーイコミックス)ホネヌキにされたい (ビーボーイコミックス)
北上 れん

リブレ出版 2007-09-10

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『僕のやさしいお兄さん 1』今市子

幼い頃に自分を祖父たちに預けて再婚したという父が亡くなった。
葬儀の席で、死んだと思っていた母が生きていたことを知った聖(さとし)15才
ところがその母と暮らす血のつながらない息子 鉄平24才というのが、聖が意を決して二丁目デビューした日に出会い、一目見た瞬間に恋に落ちた運命の相手だった。
いろいろあって聖は母の家で暮らす事になったのだが、そこへ父の再婚相手の息子彰人19才までも絡んでくる。
自分の性癖を自覚してこれからの事を考える間もないまま育ててくれた祖父たちに知られてしまった聖、夜は「千人斬り」の異名を持つ二丁目の王子様の鉄平、女関係にルーズなダメ人間の彰人など若者三人をメインに繰り広げられるシリアスなシーンも思わず笑ってしまうのは、やっぱり今市子らしい展開だからだろう。

聖を13年間育ててきた祖父と曾祖父、突然三人の息子たちと同居する羽目になった母や聖の性癖を見抜いていた後輩の久松など周囲のキャラも充実していて個性的だ。
自分的お気に入りは聖に人生を教えてくれる曾祖父だが、息子(聖から見て祖父)と年齢差が15しか違わない長髪の粋な御仁だ(笑)
一線を越える前に運命のいたずらで引き戻された聖と鉄平が、一つ屋根の下で顔を突き合わせながら何も出来ない蛇の生殺し状態でどこまで持ちこたえられるのかが見ものだ。

僕のやさしいお兄さん 1 (1) (花音コミックス)僕のやさしいお兄さん 1 (1) (花音コミックス)
今 市子

芳文社 2007-08-29

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【TB企画】BL100冊

BL×B.L.TB企画参加
BL作品を100冊選ぼう!というこの企画。これまで読んだ中からセレクトしましたが、シリーズ物はシリーズで1カウントなのでなかなか苦労しました(^^;
独断と偏見でカテゴリ分けもしてみました。
それではれっつごー

『BL100セレクション』
*多分これが原点
1.榎田尤利「メッセージ」魚住くんシリーズ 全5巻 クリスタル文庫 成美堂出版 
2.川原つばさ「泣かせてみたい」 1〜6巻 外伝2巻 徳間書店 キャラ文庫
3.菅野彰「毎日晴天」シリーズもの 徳間書店 キャラ文庫
4.栗本薫「終わりのないラブソング」全8巻 外伝1巻 ルビー文庫 角川書店
5.吉原理恵子「間の楔」光風社出版 (敢えてハードカバーのほうで)

*危険な香り・ハードボイルド風味
6.英田サキ「エス」シリーズ全4巻 SHY NOVELS 大洋図書
7.久能千明「グレイ・ゾーン」 角川書店
8.英田サキ「DEADLOCK」シリーズ全3巻キャラ文庫 徳間書店 
9.秀香穂里「虜」 キャラ文庫 徳間書店
10.秋月こお「要人警護」シリーズ全6巻 キャラ文庫 徳間書店
11.谷崎泉「最後のテロリスト」全3巻 二見シャレード文庫
12.立野真琴「YELLOW」 (ビーボーイコミックス) ビブロス
13.中原一也「傷だらけの天使ども」 愛とバクダン シリーズ二見シャレード文庫
14.やまねあやの「ファインダーの標的」シリーズもの ビーボーイコミックス リブレ出版

*スーツは戦闘服☆
15.鳥人ヒロミ「饒舌な試着室」 (ビーボーイコミックス) ビブロス
16.中原一也「KYOUHANー共犯ー」 二見シャレード文庫
17.谷崎泉「しあわせにできる」全12巻 二見シャレード文庫
18.秀香穂里「挑発の15秒」 キャラ文庫 徳間書店 
19.鳩村衣杏「映画館で逢いましょう」全2巻 二見シャレード文庫
20.山田ユギ「最後のドアを閉めろ」 (ビーボーイコミックス) ビブロス
21.蓮川愛「恋愛操作」 ビーボーイコミックス リブレ出版
22.ふゆの仁子「デキる男」(B-BOY NOVELS) ビブロス
23.岩本薫「YEBISUセレブリティーズ」(B-BOY NOVELS) ビブロス/リブレ出版

素敵に働く男達
24.秀香穂里「くちびるに銀の弾丸」 キャラ文庫 徳間書店
25.烏城あきら「許可証をください」 シリーズもの 二見シャレード文庫
26.街子マドカ「天気予報ノ恋人」あすかコミックスCL-DX 角川書店
27.楢崎壮太「誘惑レシピ」 ドラコミックス コアマガジン
28.秀香穂里「誓約のうつり香」 キャラ文庫 徳間書店 
29.秀香穂里「チェックインで幕は上がる」 キャラ文庫 徳間書店
30.榎田尤利「ラブ&トラスト」シリーズもの SHY NOVELS 大洋図書
31.椹野道流「右手にメス、左手に花束」 シリーズもの 二見シャレード文庫
32.中原一也「愛してないと云ってくれ」二見シャレード文庫
33.高岡ミズミ「ベリアルの誘惑」 キャラ文庫 徳間書店
34.いつき朔夜「午前五時のシンデレラ」ディアプラス文庫 新書館
35.緋夏れんか「偽装恋愛のススメ」 ルビー文庫 角川書店
36.水上ルイ「豪華客船で恋は始まる」シリーズものB-BOY NOVELS ビブロス/リブレ出版
37.ふゆの仁子「ソムリエのくちづけ」 キャラ文庫 徳間書店
38.和泉桂「ふらちな恋のプライス」 シリーズもの ホワイトハートX文庫 講談社

*芸能界を舞台に
39.剛しいら「顔のない男」 シリーズものキャラ文庫 徳間書店
40.久我有加「何でやねん!」全2巻 ディアプラス文庫 新書館 
41.高遠春加「天国が落ちてくる」 全3巻 二見シャレード文庫
42.崎谷はるひ「ミルククラウンのささやきためいき」シリーズもの ルビー文庫 角川書店
43.神奈木智「ダイヤモンドの条件」シリーズ全3巻 キャラ文庫 徳間書店
44.久我有加「月も星もない」 ディアプラス文庫 新書館
45.如月弘鷹「兄弟限定 BROTHER×BROTHER」1〜2巻 あすかコミックスCL-DX 角川書店
46.麻々原絵里衣「ダブルキャスト」 Dear+コミックス 新書館
47.立野真琴「HERO HELL-英雄と悪漢」 SUPER BE×BOY COMICS ビブロス/リブレ出版

*海の向こうの物語
48.松岡なつき「FLESH&BLOOD」 シリーズもの キャラ文庫 徳間書店
49.よしながふみ「ジェラールとジャック」 白泉社文庫
50.真瀬もと「スウィート・リベンジ」全3巻 ディアプラス文庫 新書館
51.真瀬もと「熱情の契約」 ディアプラス文庫 新書館
52.よしながふみ「執事の分際」 白泉社文庫
53.松岡なつき「華やかな迷宮」シリーズもの ディアプラス文庫 新書館
54.羅川真里茂「ニューヨーク・ニューヨーク」全2巻 白泉社文庫

*異世界&SFファンタジー風味
55.川原つばさ「邪道」シリーズもの ホワイトハートX文庫 講談社
56.沖麻実也「邪道」シリーズもの あすかコミックスCL-DX 角川書店
57.高岡ミズミ「太陽と月の背徳」シリーズもの ホワイトハートX文庫 講談社
58.剛しいら「黒衣の公爵」 もえぎ文庫 学研
59.久能千明「青の軌跡」シリーズもの リンクスロマンス 幻冬舎コミックス/(桜桃書房)
60.石原理「セルナンバー8」リブレコミックス リブレ出版
61.稲荷屋房之助「百日の薔薇」アクアコミックス オークラ出版
62.やまねあやの「クリムゾン・スペル」キャラコミックス 徳間書店
63.椹野道流「執事の受難と旦那様の秘密」二見シャレード文庫

*ノスタルジーを感じさせるもの
64.剛しいら「花扇」クリスタル文庫 成美堂出版 
65.神奈木智「群青に仇花の咲く」 幻冬舎ルチル文庫
66.今市子「幻月楼奇譚」 キャラコミックス 徳間書店

*学生&悩める若者たち
67.川原つばさ「東京ナイトアウト」 ルビー文庫 角川書店
68.橘紅緒「私立櫻丘学園寮」シリーズもの SHY NOVELS 大洋図書
69.月村奎「きみの処方箋」 ディアプラス文庫 新書館
70.久我有加「キスの温度」全2巻 ディアプラス文庫 新書館
71.高永ひなこ「恋する暴君」GUSHCOMICS 海王社
72.石原理「あふれそうなプール」 Hug文庫 メディエイション/(ビブロス)
73.せのおあき「僕は僕の道を行く」 アクアコミックス オークラ出版
74.高久尚子「うつむく視線」ドラコミックス コアマガジン
75.穂波ゆきね「凛-RIN-」全3巻 キャラコミックス 徳間書店
76.北上れん「ひとり占めセオリー」 リブレコミックス リブレ出版
77.桜木知沙子「ストロベリーハウスフォーエバー」クリスタル文庫 光風社出版
78.志水ゆき「レシピ」(SUPER BBC)ビブロス

*作家・芸術家もの
79.榊花月「小説家は懺悔する」シリーズものキャラ文庫 徳間書店
80.和泉桂「有罪」シリーズもの Daria bunko フロンティアワークス
81.鷺沼やすな「夢の卵」アクア文庫 オークラ出版
82.崎谷はるひ「しなやかな熱情」幻冬舎ルチル文庫
83.谷崎泉「君が好きなのさ」全10巻二見シャレード文庫
84.榎田尤利「愛なら売るほど」B-BOY NOVELS リブレ出版
85.中村春菊「純情ロマンチカ」シリーズもの あすかコミックスCL−DX 角川書店

*泣きたいくらいにせつない物語
86.砂原糖子「夜明けには好きと言って」幻冬舎ルチル文庫
87.富士山ひょうた「ディア・グリーン 瞳の追うのは」シリーズものバーズコミックス 幻冬舎 
88.鳥人ヒロミ「成層圏の灯」全2巻 WINGS COMICS BUNKO 新書館
89.榎田尤利「執事の特権」SHY NOVELS 大洋図書
90.川原つばさ「プラトニック・ダンス」全6巻 キャラ文庫 徳間書店
91.榎田尤利「犬ほど素敵な商売はない」SHY NOVELS 大洋図書
92.木下けい子「キスブルー KISS BLUE」全2巻 ミリオンコミックス 大洋図書

*人じゃなくても愛はある
93.高月まつり「伯爵様は不埒なキスがお好き♡」シリーズ全4巻+α プラチナ文庫 プランタン出版
94.志水ゆき「是-ZE-」シリーズもの Dear+コミックス 新書館
95.中村春菊「Hybrid Child」SUPER BBC ビブロス

*微妙な加減がクセになる
96.鈴木ツタ「hand which」バンブーコミックス 竹書房
97.楢崎壮太「欲望センシビリティー」ドラコミックス コアマガジン
98.草間さかえ「夢見る星座」ビーボーイコミックス リブレ出版
99.ヤマシタトモコ「くいもの処 明楽」MARBLE COMICS 東京漫画社
100.今市子「楽園まであともうちょっと」全3巻 花音コミックス 芳文社

ここまで読んでくださって、お疲れさまでした〜
思っていたよりも学生モノがあったけれど、やはり働く男たちの話が多いなあ〜(^^;

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『午前五時のシンデレラ』いつき朔夜

自分が属する全ての柵から逃れ、桜井優也がようやく見つけた居場所はパチンコ店の住み込み店員。
そこで出会った強面の釘師 飛良と過ごす毎朝のわずかな時間の積み重ねが小さな幸せに変わっていく様子や、失うかもしれないと思った時に初めて自覚した自分の心の中に育っていた気持ちに気づいた時のやるせなさがとても好きだ。
辛かった時間が次第にささやかな喜びに変わっていく…その過程が素敵だ。

全く知らないパチンコ業界の話も面白いし、それ以上に飛良が話す小倉弁が醸し出す雰囲気が、荒々しさの中に純度の高い熱い気持ちを感じさせてくれて、心にドカンと響いてくる。

最近BLも食傷気味だな〜と思っていたところへ、久々にインパクトのある話に出会えて幸せ(^^)

午前五時のシンデレラ (新書館ディアプラス文庫 167)午前五時のシンデレラ (新書館ディアプラス文庫 167)
いつき 朔夜

新書館 2007-08

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『弁護士成瀬貴文の憂鬱』高岡ミズミ

弁護士とヤクザと検事という組み合わせで、こういう展開になるなんてちょっと意外だった。

元検事で、今はヤクザの顧問弁護士の成瀬貴文。
5年前に別れた成瀬のかつての同僚で想い人の、正義感の強い相澤喬司。成瀬はゲイだが、相澤はストレート。
成瀬が誘う形で始まった体の関係を世間に公表すると脅迫し、二人を引き離したのは、現在成瀬が担当している武藤組の若頭 綿貫だ。

5年前に成瀬が突然検事を辞めた真相を一通の投書で知った相澤が成瀬の元を訪れることから物語は始まる。
自分が辞めた理由を一番知られたくなかった相手から真相を問われ、その後彼が取った行動に成瀬は激しく動揺する。
相澤に迷惑がかかることのないようにと取った方法が、5年後の今になって裏目に出てしまった状況に心を痛める。しかし、心の底では相澤の行動を嬉しいと感じる自分がいて、相澤がいかに自分の心を占めているのかをあらためて思い知らされる。

成瀬に何かとセクハラまがいの誘いをかける綿貫の傲岸不遜さの裏には、何やら得体の知れなさも見え隠れして油断のならない男だ。
後半になって綿貫が成瀬を脅迫した本当の理由も明らかになるのだが、どこまでが本気なのか読んでいる側にもよくわからない。
結局、シリアスなのかラブロマンスなのかコメディなのか悩んでしまった(^^;
今回が導入部で、本編はこれから…といった感じなのかな?

弁護士成瀬貴史の憂鬱 (講談社X文庫ホワイトハート(BL))弁護士成瀬貴史の憂鬱 (講談社X文庫ホワイトハート(BL))
高岡 ミズミ 水名瀬 雅良

講談社 2007-08-02

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『神の右手を持つ男』春原いずみ

脳血管内科医の御影貴和は、大学病院の脳血管救急救命センターに在籍しており、画像による診断の早さと、手技の鮮やかさから神の御子の異名をもつ人物だ。
幼なじみで脳神経外科医の大信田穣とは同僚で二人は密かに恋人同士だ。
恵まれた才能とそれを活かせる職場。愛する者も側にいて順風満帆に見えた貴和の前途に影が差したのは、派遣先の病院で常勤医師と異なる診断を下した事に始まった。
大学病院とその内部における権力争いの波をモロに被った貴和は、最先端の医療現場を追われ、規模も設備も小さな病院への勤務を余儀なくされたのだった。

やり場のない苦しみと悲しみを抱えている時に、敢えて貴和の側にいる選択をしなかった大信田に代わって、貴和の心を救ったのは新たな職場の同僚の心療内科医の観月だ。
存在感のある脇キャラと二転三転する物語に、貴和がどの道を選ぶのか最後までわからなくて、ハラハラした。

全体的には面白かったけれど専門用語が多すぎて、わかり難かったところもあるんじゃないかなあ(^^;
患者を治療する以外の問題に悩まされる医師たちの置かれた現状の悲惨さはよく現れていたと思う。

自分的には貴和と大信田の関係がちょっと浮いたような感じがして、これまで培ってきた思いの深さが伝わるような会話やエピソードがあればもっとよかったかな〜と思う。

神の右手を持つ男 (キャラ文庫 す 2-11)神の右手を持つ男 (キャラ文庫 す 2-11)
春原いずみ 有馬かつみ

徳間書店 2007-07-25

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『鏡の中の九月』榊花月

本屋さんが舞台ということで手に取ったのだが、面白かった(^^)

雑多な人間関係に頭を悩ますよりも、自分に任された仕事をやり遂げることに喜びを感じていた"高野秋雨(しゅう)"は大学へ行くより本屋でのバイトの方が楽しかった。
自分が必要としたときに両親は病弱な弟にかかりきりでいつも独りだった。そのため弟の健康が多少安定した現在も親との関係は微妙。
感情を表立って表すのが得意でなく、受け答えも素っ気ない態度しかとれないが周囲からは何故かクールな印象を持たれていた。

バイト先を訪れる取次店の担当者の"生方秀行"は顔も性格もよく、周囲の評判も上々だ。しかし、その愛想のいい笑顔の裏に何かを感じた秋雨は彼を信用していなかった。
ところが不覚にも酔った勢いで、今まで誰にも漏らさなかったプライベートな話を生方に漏らしてしまった。自己嫌悪に陥る秋雨だったが、それ以来生方は何かと話しかけてくるようになった。
ご飯を独りで食べるのが侘しいと秋雨の痛いところを突いては、食事の誘いをかけてくる生方の真意を秋雨は図りかねていた。




仕事ではサラリと好青年を演じながら、秋雨の前でだけは別の顔を見せる生方がなかなかのくせ者だ。
自分の言葉が相手にどんな反応を与えるかを楽しんでいるのか、それとも好きな子だからつい構ってしまうのかはわからない。が、7歳年上の男の一言一言に翻弄される秋雨と、オトナの駆け引きで余裕を見せる生方の対比が面白い。
実際にこんな奴がいたら嫌かもしれないが、生方のような切れ者で表と裏のギャップが激しいキャラは自分のツボど真ん中だ(笑)

二人が気持ちを確かめ合うまでが表題作「鏡の中の9月」でその後の「十一月は恋人の時刻」は書き下ろしだ。

人付き合いへのコンプレックスが生方に出会った事で変わっていき、家族への接し方も距離を置きながら前向きに考えられるように成長していく。生方の言葉が秋雨の心にゆっくりと浸透していく感じがとても好きだ。
秋雨が自分の影響を受けて変わっていく様子を間近で見ている生方は、彼の見せる反応がたまんないだろうなあ〜(笑)
メインタイトルの意味はやっぱりよくわからなかった(^^;

鏡の中の九月 (新書館ディアプラス文庫 164)鏡の中の九月 (新書館ディアプラス文庫 164)
榊 花月

新書館 2007-07

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『群青に仇花の咲く』神奈木智

吉原を舞台にしたBLものをいろいろ見かける中でこの話は少々趣が違うが、自分的にはわりと好きだ。

以下、ネタバレ注意!


男花魁の佳雨が密かに心を寄せる骨董屋の若旦那 久弥。他所では色事に長けているという噂の男なのに半年も通いながら手も出してこない。
若旦那の行動や言葉に一喜一憂しながらそれを表に出さない花魁の矜持は見上げたものだが、やはり一方的に思いだけが募っていくのは切ない。
実は久弥が、佳雨の元へ通うようになったのには理由があり、それは途中で明らかにされる。
自分の気持ちをふと漏らしてしまった後に腹をくくって、若旦那に毅然とした態度で迫る花魁がカッコイイ。本当はたった一言で挫けてしまいそうなくらいの脆さを秘めた気持ちを押し隠して惚れた相手の前で婉然と微笑んでみせる姿は最高に素敵だ。

久弥の、踏み出してしまうと気持ちを止められないとわかっているから手を出さないというなんとも焦れったい理由にやきもきさせられる。二人が交わす言葉の裏に隠された気持ちを思うと、とても切ない気持ちになる。
一時の感情では動けないほどの柵を持ち、お互いにそれをよくわかっているのは大人だからだ。

ところが双方納得づくで、延ばせば届く手を離してしまおう…と思った矢先に花魁の身に危険が降り掛かる。
目の前の存在が失われるかもしれないという状況に直面して、それが如何に大きな存在だったかを思い知らされるというなかなかベタな展開なのだが、謎解きとともに描かれる二人の個性溢れる会話が光っている。
自分的には食えない若旦那のキャラもお気に入りだ(^^)

続編もあるそうなので今後の展開が楽しみだ。

群青に仇花の咲く
神奈木智

幻冬舎 2007-07

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『FLESH&BLOOD 10』松岡なつき

異端信仰と魔術による呪詛で告発されたカイト。
なんとかビセンテが通訳として付き添うことは認められたものの、牢の中で孤独な時間を余儀なくされてしまった。

異端審問で有罪とされれば命も危うい。言葉もうまく話せない不利な立場のカイトを支えてくれるのは、ただ一人ビセンテのみ。カイトを助けようと必死になっているビセンテを見ているうちに、少しずつ彼への気持ちが変わってくるのを感じていた。

もちろんジェフリーやナイジェルも手をこまねいて見ているわけではなく、カイト救出のために行動を開始した。カイトを亡き者にしようとウォルシンガムの刺客も動き出した今、彼らは無事に再会できるのか?
非常に気になるところで終わっている。
命と引き換えとはいえ、精神的に大きな屈辱を受けたカイトのその後も心配だ。

不安に揺れるカイトの気持ちもわからなくないけど、ビセンテがちょっと哀れだ。今回はビセンテの人と也に救われた感があるので余計にそう思うのかもしれない。
カイトもビセンテも早く自由の海へ帰れるといいなあと思う。

FLESH&BLOOD 10 (10)(キャラ文庫 ま 1-20) (キャラ文庫 ま 1-20)FLESH&BLOOD 10 (10) (キャラ文庫 ま 1-20)
松岡 なつき

徳間書店 2007-06-23

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前巻の感想はこちら

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『DEADSHOT -DEADLOCK3- 』英田サキ

謎の多いコルブズの過去が明らかになっていく。
人の存在意義を役に立つか否かで判断し不要となれば容赦なく切っていくコルブズ。彼が育った背景が語られることによって現在の彼の姿が浮かび上がってくる。
さまざまな価値観の対立に加えて今回新たに社会派ドラマのような辛辣さも垣間見えたこの物語は、とても魅力的な海外のドラマのような仕上がりになっている。ラストもとてもいい感じで決着してホッとした。

以下、ネタバレ注意!






今やユウトの目的は復讐に燃えたディックを止めること。
ロブに助けられながらユウトは必死でディックを、そしてコルブズを追う。辛い気持ちを抱えていてもユウトにはロブという存在がいたが、コルブズもディックも孤独だった。
ユウトを間にはさんで、対立するコルブズとディックは相対する鏡のようだ。
 
複雑な感情の機微を理解できないまま育ったコルブズ。彼の目に映るユウトは感情の露出が激しく目の前でキラキラ光る不思議な存在だったのだろう。ディックにとっても感情に流されやすいユウトは危うくて、これまで何度も調子を狂わせられてきた。
だがコルブズもディックも目的のためなら容赦なく切り捨ててしまえるものをボロボロに傷ついても守ろうとするのがユウトだ。だからこそ二人はユウトを無視できないのだと思う。

終盤の救出劇はまるで映画のワンシーンのようにドラマティックで音声と映像が浮かんでくる。音もなくスローモーションのように繰り広げられる光景に不覚にも涙してしまった。

そして、ユウトが勇気を出してディックに会いにいくラスト近くのシーンがとても素敵だ。バスで知り合った地元の人とのやり取りなんて決して日本ではあり得ない。こんな細かな演出が余計に映画や海外ドラマのような印象を感じさせるんだろう。

それにしても最後までお互いに相手の出方を伺っているのが非常に焦れったい!!
そこで何も言えずに終わってしまったら後悔するくせに〜とか思いながらも、もしかしてこのまま?…なんて思ってしまった。
あんなに情熱的な思いを抱えたままで一晩何もなしに過ごしたなんて!
よく耐えたなあ(笑)

自分的にロブがいい人だったのはよかったが、なんだかあれこれ凄すぎて、正直なところ最後まで疑惑を捨てきれなかった(笑)

デッドショット
英田 サキ著
徳間書店 (2007.6)

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『いつわりの薔薇に抱かれ』英田サキ

警視庁の刑事 八重澤高峰は、先ごろ香港マフィアのトップを引き継いだといわれるアレックス・ウォンを監視するため、来日した彼の滞在先のホテルで専属の部屋執事としての潜入捜査を開始した。
あくまでも従順な執事として彼の前に臨んだ八重澤の態度の裏に何かを感じたのか、ウォンはわざと感情を逆撫でするような要求をした挙げ句、八重澤に代わりの者を寄越すようにと言い放った。
このままでは、捜査の続行さえ危ぶまれるとホテルのチーフバトラー柏木に泣きつくと、とっておきのアドバイスをもらった。
監視の対象であることは一時忘れ、ウォンを大事な恋人だと思って接すること。
柏木の秘策を心の中で唱えながら、八重澤は再び執事としてウォンに挑むのだった。

以下ネタバレ注意

八重澤とウォンの関係がエスのようだなと思いながらも話にグイグイ惹き込まれていく。
互いに惹かれあっていく二人だが、八重澤にとってウォンは監視対象であり、余計な感情を挟むことは許されない。
本音と建前の板挟みになって揺れる八重澤に、追い打ちをかけるように展開していくストーリーにちょっとハラハラ。
また、母の元へ戻らなかった父との再会。父への積年の恨み。自分と八重澤との関係を両親のそれと重ねた時、ようやく父の立場を理解するウォンの心境の変化を描いてあるのが、とても自然な感じでいい。

八重澤が望めば全てを手に入れられるという状況でクライマックスへと雪崩れ込むところも、堰を切ったように慟哭するシーンも切なくて切なくて身悶えしたが、八重澤の選択は自分的にはとても好きだ。
石原理さんの描くウォンと八重澤はストイックで素敵だ(^^)

いつわりの薔薇に抱かれいつわりの薔薇に抱かれ
英田 サキ

リブレ出版 2007-06
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『独占恋愛のススメ』緋夏れんか

F1レーサーとしての準備をはじめた秋津州世が日本へと一時帰国する『純情恋愛のススメ』と、シーズン前に秋津の様子を見ておこうと流が葦原らとともにスペインへと向かう『独占恋愛のススメ』が収録されている、シリーズ第3弾。

着実に自分の夢へと歩む秋津の側で、自分がただの足手まといなんじゃないかと悩む流を見ているととても切ない。
普段ならそんな流の様子に気づいて、そんなことはないと言ってくれるはずの秋津も今回は慣れぬ異国での冷たい歓待や、なかなか進まないマシンの調整などで余裕がない。
秋津のまとうピリピリした雰囲気に流が遠慮してしまった結果、再会した時の甘い雰囲気は失せて二人の気持ちがすれ違っていくのがもどかしい。
おまけに二人の間をかき回す秋津のライバルだった男の登場によりかなり深刻な事態にまで発展する。
一時はどうなるかと思ったが、ちゃんと決着がついてとりあえずは一安心。
自分にできる方法で秋津を支えたいと思い、そのための道を懸命に模索する流の考え方がとても好きだ。

独占恋愛のススメ独占恋愛のススメ
緋夏 れんか

角川書店 2007-05

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1作目の感想はこちら→『偽装恋愛のススメ』

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『あふれそうなプール 1』石原理

以前パソコン通信のボード上でこの作品を薦められて一気読みし、見事に嵌った。
あれから何年経ったんだろう…

表紙は入谷哲夫。
感受性が強くて泣き虫だった彼にある先生が言った。人の心の中には水のいっぱい入ったプールがあって、ちょっとした拍子にあふれてしまう。君のプールは人より少し小さいだけなのだよと。

以来、その言葉を自分に言い聞かせて挫けそうになっても顔を上げて生きてきた。
過去に決別し自分を知る者のいない環境で別の自分になろうと心に決めて高校へ入学した。ところが木津涼二という存在が彼の心を大きく波立たせ、彼の自信ありげな視線に昔の弱い自分へと引き戻されそうになる。
いっぽう木津も、ギリギリの状態で踏みとどまって必死に前を見据える入谷に強く惹かれていく。
木津に触発されて入谷への気持ちに目覚める春日良太、入谷のトラウマに大きく関わっている花田も途中から登場し人と人、心と心が交錯していく。
微妙な年齢の男達がぶつかり合い、悩み、とまどう姿にゾクゾクさせられる。
タイトルもだけど、『俺達の体にはスピードがありすぎて 心はいつもおいてきぼりを食らうんだ』とか『俺は男なんだよ 女じゃねぇんだ!』とか一つ一つ挙げられないくらい好きなシーンやセリフが鋭く激しく心に迫ってくる。

ビブロス版を持っているのに、買ってしまったのは入谷と木津のその後が描かれているから。
ほんの数ページだけど、そこに至るまでの彼らの時間がギュッと凝縮されているようでとてもよかった。

あふれそうなプール 1
石原 理著
メディエイション (2007.5)

今月予定されていた2巻の発売が7月に延びていて残念。
7月の予定も延期になっていた。描き下しが間に合わなかったのか?

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『恋愛操作 2』蓮川愛

お互いにプライドが高く、相変わらず意地の張り合いになってしまう奥村と山代。
最終的には奥村が惚れた弱みで折れているように見えるが、実は山代の気の済むように行動させてタイミングを見計らって腰を上げているような気もしないではない。
と思っていたのだが、そんな余裕さえもなさそう…な気がした(^^;

二人だけの犬も食わないなんとやらに、今回は波風を立てる人物の登場だ。
奥村が直々にスカウトしてきたというバーテンダー笹谷に、嫉妬を感じる山代。
何かと絡んでくる笹谷の思惑には気づかず、ライバル視してしまう山代がかわいい。結局、他の男なんか眼中にないということだ(笑)
奥村のほうは笹谷の気持ちに気づいて何かと牽制しようとするのだが、それが逆に山代の癇に障って逆効果。
嫉妬なんてみっともないという言葉を真に受けて、平静なフリをしてしまうところも端から見ているとバカバカしいくらいの可愛さだ。
式さんじゃないけど、二人とも毎回よくやるなあ〜(笑)というのが実感。
仲直りするたびに少しずつ二人の関係が深くなっていくのはたまらなく好きだけど。

先日ドラマCDの第一弾が出て、この2巻も早くドラマCDになってくれないかな(^^)
山代の「声も私のものだ」という独占欲丸出しのセリフを小西克幸さんのあの悩ましい声で聞きたい!

恋愛操作 2 (2)恋愛操作 2 (2)
蓮川 愛

リブレ出版 2007-06-08

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感想はこちら→『恋愛操作』

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『執事の受難と旦那様の秘密 <下>』椹野道流

上巻もそうだったが、この巻でもハルの作る料理がとても美味しそうだ(^^)

拘留されたフライトは黙秘を続け、ハルの面会さえ禁止されてしまった。なんとかして身の潔白を証明する手がかりを掴もうとウィルフレッドはフライトの足取りを追う。
一方、フライトと入れ替わりでウィルフレッドの屋敷へやってきた、フライトの恋人で元高級男娼のキアランは口は悪いがハルを気に入ったらしく、彼の料理に口を出したり閨の手ほどきを教えようとしたり積極的に構ってくる。
ウィルフレッドはフライトからの伝言に隠された謎掛けをどうにか解き、彼が託し屋敷内に隠しておいたあるものを発見した。

院長を殺した犯人について警察は有力な手がかりをつかめずこのままではフライトが犯人として裁かれるしかない。そんな膠着状態を打ち破ったのは、何者かによるウィルフレッドの屋敷への襲撃だ。
しかし闇に乗じて彼らが狙ったのはハル。誰が、いったい何の目的で襲ってきたのか!?

旦那様の秘密というより、結果的にはハルの秘密がメインだったかもしれない(笑)
でもまあ、タイトルに出してしまったらおおよその見当がついてしまうから仕方がないのかも。
ハルの出生の秘密が明かされ、ウィルフレッドとの『帯の儀』も無事終えてめでたしめでたし(^^)

執事の受難と旦那様の秘密 下


椹野 道流著
二見書房 (2007.6)

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前巻の感想はこちら『執事の受難と旦那様の秘密<上>』