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2005/11/18

修道士ファルコ

かつては"ナバーラの鷹"と呼ばれた剣客の騎士"ファルコ"は俗世を捨て修道士としての日々を送っている。
14世紀後半、修道士はトンスラといわれる独特のヘアスタイルで統一されていた。頭頂部のみ剃髪してサイドの髪は短く残す,あのスタイルだ。しかし"ファルコ"にはそれが禁じられていた。
彼の髪の下には痣があり,それを露にすると修道士たちの心が乱されるという理由からだ。主人公をトンスラにしたくないという作者の意図からの発想らしいが,非常に面白い発想だ。心は神に捧げて日々修行に励んでいるのに、身を以てその証をたてることができない彼のジレンマと周りの修道士たちの掛け合いがとても愉快だ。
小鳥の心臓の院長や功利的な副院長、ひたすら美を愛する者、年中春に住む者,未だに俗世を引きずっている者など大勢登場する修道士たちも人間味豊かに描かれている。幾つもの事件が起きるのだが、ファルコを巻き込みながら修道士たちが右往左往する姿がとても滑稽だ。
面白いながらも,修道士たちの暮らしや世間の様子は微に入り細に入り描かれているのは流石だと思う。

ところでファルコの頭にある痣というのはキス・マークの形をしているらしい。本人にはただ忌まわしい形としか知らされていないのだが,一度見ると目に焼き付くほど魅力的なものなのだそうだ。修道士たちが修行に身が入らなくなるほどに(笑)
きっと血管腫かなにかで色も綺麗なのだろうなあ。

修道士ファルコ
青池 保子著
白泉社 (2005.11)

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